リヴァプールの復活のテーマはストライカーの共存? 新システム導入でヌニェスの得点量産はあるか

今季ここまで1ゴールのヌニェス photo/Getty Images

フィルミーノとの縦関係も

今季ベンフィカからリヴァプールへ鳴り物入りで加入したダルウィン・ヌニェス。昨季のプリメイラリーガ得点王であり、UEFAチャンピオンズリーグでも好成績を残したストライカーだが、ここまでチームに完全にフィットしているとは言い切れない。

ヌニェスの最大のよさはゴール前での強さとスペースへ飛び出すスピードだ。しかし中盤のケガ人が多いリヴァプールでは彼に効果的なパスを出せる選手は少なく、前線で孤立してしまうシーンも少なくない。またビルドアップ時に最前線のFWはロベルト・フィルミーノやディオゴ・ジョタ、昨季のサディオ・マネのように下がってボールを受けるのが定石であり、ヌニェスはそういった部分をストロングとしているFWではないため、中盤や両サイドバックとのパスミスも生じてしまう。

そんな状況下でユルゲン・クロップ監督は、UEFAチャンピオンズリーグ第2節のアヤックス戦でテコ入れする。66分にベンチスタートだったフィルミーノとヌニェスを同時にピッチに投入。[4-2-3-1]のシステムに変更し、ヌニェスを最前線に置き、フィルミーノをトップ下の形で両FWの共存を試みる。
チアゴ・アルカンタラが復帰したことで効果的なパスを入れられるプレイヤーがいたのも大きいが、1.5列目にフィルミーノが立ってヌニェスとの橋渡し役になったことで両FWが絡み、スムーズにボールを支配できていた印象だ。ヌニェスは偽9番よりもゴール前で迫力が出せるタイプであるため、下がるよりも前線から彼に渡るように作り変えることも重要だ。

結果的にヌニェスにゴールはなかったものの、劇的な決勝ゴールでCL今季初勝利を手にしたリヴァプール。シーズン前にも試していたこの布陣だが、プレミアリーグも中断期間に入り、ケガ人が徐々に復帰していくチームでより完成度を高めていくことだろう。

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