首位アントワープで開幕から全試合出場 約2年間日本代表のピッチから遠ざかっている“天才レフティ”の現在地

アントワープで定位置掴む三好康児 photo/Getty images

ようやく定位置を確保したか

今季はシント・トロイデンに岡崎慎司が、コルトレイクに田中聡が新たに加わり盛り上がりを見せるジュピラー・プロリーグ。すでに8試合が消化されており、三好康児が所属するアントワープが開幕から8連勝と破竹の勢いを見せている。

そんなアントワープはタレントが充実しており、ベルギー代表歴のあるMFラジャ・ナインゴラン、現役のDFトビー・アルデルヴァイレルト、元トッテナムのFWフィンセント・ヤンセン、アヤックス出身のMFユルゲン・エケレンカンプと名のある選手が集まっている。三好もそんなタレント集団の一人であり、開幕から全試合で起用され1ゴール1アシストを記録している。

Jリーグでは川﨑フロンターレ、コンサドーレ札幌、横浜F・マリノスと複数のクラブでプレイし、19-20シーズンからアントワープに所属している三好。アントワープは今季で4年目であり、シーズンを重ねるごとにプレイタイムを増やしている。昨季は21試合でピッチに立ち、今季は新監督マルク・ファン・ボメルに気に入られ開幕から全試合で起用されている。
11日に行われたサークル・ブルージュ戦では左サイドハーフで先発となった。相手には上田綺世がおり、ベルギーにて日本人対決が行われた。ヤンセン、アルデルヴァイレルトのゴールで2-0とし、アントワープが連勝を8に伸ばしている。

三好は先発し今季初となるフル出場を飾った。スタートは左で、終盤には右にポジションを移している。このゲームで光った三好の強みは時間を作れるキープ力だ。ベルギーリーグは縦に速いサッカーを展開しているチームが多く、目まぐるしく攻守が入れ替わる。見ている分にはアグレッシブで面白いが、やっている側からすればカウンター上等の戦いであり、リスクが大きい。そこで三好は上手く前線で時間を作り、攻撃の体制を整える。

終盤右にポジションを移したことでより生き生きする三好が見られた。右サイドから中央にカットインしシュートを打つシーンもあり、ゴールとなっていれば2試合連続だったが、残念ながら相手GKの好セーブに遭い追加点は奪えなかった。

ベルギー移籍後まとまったプレイタイムを確保ができていなかった三好だが、今の調子を維持すれば昨季の1073分を更新する可能性は十分にある。9月の時点で532分と昨季の約半分であり、この調子だ。

そうなれば自ずと代表から声はかかるはずだ。2020年11月のメキシコ戦が最後の出場であり、約2年フル代表から遠ざかっているが、三好のポテンシャルであればサイドでのポジション争いに割って入ることは可能だ。

ようやくベルギーで定位置を掴むことに成功した三好。少し時間はかかったが、ここから勢いよく評価を高めていくことだろう。

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