昨季よりスタートしたヨーロッパ・カンファレンスリーグ。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに次ぐ第3の欧州カップ戦であり、昨季はローマが大会を制している。
単純に大会のレベルで見れば、チャンピオンズリーグがNo.1だ。カンファレンスリーグに物足りなさを感じるファンもいるだろう。しかしこの大会が出来たことで、欧州カップ戦への夢を見るチームが増えたのは確かだ。
今大会も大きなサプライズがあった。リヒテンシュタインのファドゥーツが26日に行われたラピード・ウィーンとのプレイオフ2ndレグを制し、クラブ初となる欧州カップ戦本選への出場権を手にしたのだ。
ファドゥーツはやや特殊な環境に置かれているクラブで、リヒテンシュタイン国内にはプロリーグが存在しない。そのためファドゥーツはスイスの2部リーグに在籍しており、今季はここまで5試合を消化して2分3敗と苦戦している。スイス国内トップディビジョンであるスーパーリーグに昇格したこともあるのだが、2部にいる時間の方が長い。決して強豪とは言えないクラブだ。
そのファドゥーツが欧州カップ戦への出場権を持っているのは、リヒテンシュタイン国内で行われているリヒテンシュタイン・フットボールカップを制しているからだ。カンファレンスリーグが出来てからは、このカップ戦を制したチームはカンファレンスリーグ予選への出場権を得ることが出来る。
そしてファドゥーツはこの国内カップを過去48回も制しており、現在は8連覇中と無敵だ。以前は優勝チームにヨーロッパリーグ予選への出場権が与えられており、1992-93シーズンから計算するとファドゥーツは実に27回も欧州カップ戦予選にチャレンジしてきたのだ。
そのうち26回は予選敗退に終わってきたのだが、27回目にして予選をくぐり抜け、プレイオフでも勝利。ラピード・ウィーンとの2ndレグを1-0で制した選手たちは優勝したかのような喜びだった。27回目の挑戦で初めて本選へ進めるとなったのだから、嬉しさは特別だろう。
ファドゥーツはカンファレンスリーグのグループリーグでオランダのAZ、キプロスのアポロン、ウクライナのドニプロと同じグループに入っており、初めてとなる一大チャレンジが始まる。