ユニオン戦では得点の崩しに関わるも「自分には満足していない」と辛口評価 開幕戦先発だった香川真司のベルギー2年目は期待できる?

リーグ開幕戦に出場した香川真司 photo/Getty images

継続したプレイタイムを得られそうだ

ボルシア・ドルトムントやマンチェスター・ユナイテッドでプレイした経験を持つ香川真司。日本代表では10番を背負った選手であり、2018年のロシア大会では初戦コロンビア戦で先制点を挙げている。

しかしクラブでは出場機会がない時期が続いており、2019年ドルトムントからトルコのベシクタシュへ。同年の8月にはスペインのレアル・サラゴサへ移籍し、31試合で4ゴール1アシストを記録している。プレイタイムは得られたが思うような活躍はできておらず、契約を解除しギリシャのPAOKテッサロニキに加わる。だがこの選択も上手くいかず、再び契約を解除し昨季ベルギーのシント・トロイデンへ移籍した。

19-20シーズンにレアル・サラゴサで1728分とまとまったプレイタイムを得た香川だが20-21シーズンから昨季までのリーグ戦でのプレイタイムは少なく、2シーズンで378分のみだ。それでも22-23シーズンのシント・トロイデンではリーグ開幕戦でスタメンとなり、24日のロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズ戦では74分までプレイしている。林大地の先制点は香川真司のワンタッチパスが起点となっており、ゴールに関与している。
初ゴールとはならなかったが、シント・トロイデンで継続したプレイタイムを得られれば日本代表復帰が期待される。サムライブルーでは2019年の出場を最後にピッチに立っていない。

香川は以前から日本代表への復帰とワールドカップ・カタール大会の出場が目標であると明言しており、ベルギーメディア『Voetbalbelgie』ではチームメイトのモリー・コナテが「(W杯出場は)チャンスがある」と話している。加えて「彼は昨シーズンより進化している。香川は身体的にトップに戻った。彼はとても意欲的で、その目標(W杯出場)を達成するために全力を尽くしている」ともコメントしており、チームメイトから見て香川のコンディション調整は成功しているようだ。

だがユニオン戦でのパフォーマンスではまだ物足りないか。得意のワンタッチパスでチャンスメイクする場面もあったが、判断が遅くボールロストする場面もあった。チームのスタイル上ロングパスでのビルドアップが多く、サイズのない香川では収まらない。その点、同じチャンスメイカータイプのクリスティアン・ブルースは単独でのドリブル突破も武器として持っており、キーパスも1本記録している。代表に復帰するためにもブルースは越えたい壁であり、チームで圧倒的な存在感を披露できなければ11月のW杯・カタール大会行きは難しい。ただそれは香川も感じており、試合後には「チームは上手くいったが、自分には満足していない」と『hbvl.be』にて語っている。

ここから香川のパフォーマンスが向上するとすれば試合感をどこまで取り戻せるかだ。昨季チームに加わったが、プレイタイムは179分と少ない。今季は開幕戦から起用されるなど監督の構想に入っており、怪我などのアクシデントがなければ今後も試合に出られるだろう。そこでどのようなパフォーマンスを披露できるかで状況は変わってくる。近年は選手寿命が延びており、さらに成熟する香川に期待だ(データは『SofaScore』より)。

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