バイエルン、さらにはパリ・サンジェルマンまでがリヴァプールFWサディオ・マネに興味を示しているとの話題が浮上し、その去就が注目を集めている。
マネはワールドクラスのアタッカーであり、おそらくはどのリーグでも活躍できるだろう。ただ、マネも注意が必要かもしれない。指揮官ユルゲン・クロップの下を離れた選手が苦戦する傾向が目立っているからだ。
これは偶然が重なっただけとも考えられるが、クロップが選手の個性を引き出す術に長けている証拠とも言えるのではないか。英『Planet Football』が過去の移籍失敗例を取り上げているが、直近では昨夏リヴァプールを離れてパリ・サンジェルマンへ向かったMFジョルジニオ・ワイナルドゥムだろう。
パリの補強戦略に一貫性がないのも原因かもしれないが、ワイナルドゥムはパリでポジションを掴めていない。リヴァプール時代の方が輝いていたのは明らかであり、最近ではオランダ代表メンバーからも漏れてしまった。今季だけで判断するなら、パリ行きは失敗だ。
移籍金額では、2018年冬にリヴァプールからバルセロナへ向かったMFフィリペ・コウチーニョの衝撃が大きい。コウチーニョはプレミアリーグでこそスターだったが、バルセロナでは大苦戦。1億ユーロを超える移籍金の価値を証明できず、コウチーニョも明らかにリヴァプールでプレイしていた時の方が良かった。現在はアストン・ヴィラの選手としてイングランドに戻ってきているが、バルセロナ移籍が失敗だったのは言うまでもない。
同メディアは彼らに続き、香川真司の名前も挙げている。香川はクロップの下で才能が開花し、2012年にドルトムントを離れてマンチェスター・ユナイテッドへ。しかし、名将アレックス・ファーガソン氏が退任したこともあってチームは混乱。香川も個性を活かしきれなかった。
クロップが香川の良さを最大限に引き出してくれていた指揮官なのは間違いなく、そのプレイスタイルとクロップの戦術は見事にマッチしていた。マンUが香川を活かし切れなかった印象が強く、結果だけで判断するなら香川のマンU挑戦も成功とは言い難い。
他にもドルトムントからバイエルンへ向かったMFマリオ・ゲッツェ、ドルトムントからレアル・マドリードへ向かったMFヌリ・シャヒンらの名前が紹介されており、マネもこれに続くのではと不安視されているのだ。
こればかりはマネとクラブ次第ではあるが、30歳という年齢は気になるポイントか。リヴァプールは今冬にルイス・ディアスも迎えており、年齢的にマネを手放すには悪くないタイミングなのかもしれない。
仮にマネが移籍を決断し、新天地で成功できなかった場合は再びこの話題が注目を集めるだろう。クロップの下でプレイを続けていた方が良かったと言われるのは間違いないが、今夏にマネは動くのか。