イブラヒモビッチが“ミランの神”になった日 11年越しのリーグ優勝を再びピッチで迎えた功績

イブラの存在はスクデット奪取に欠かせなかった photo/Getty Images

40歳ながら今季リーグ戦23試合8ゴールを記録

セリエA最終節でサッスオーロに勝利したミランは、11年ぶりとなるリーグ優勝を決めた。オフサイドで取り消しとなったものの、この試合でネットを揺らす場面もあった40歳のズラタン・イブラヒモビッチは、驚くべきことに11年前もスクデット獲得の瞬間に立ち合っていた。

2011年5月7日、セリエA第36節アウェイのローマ戦に挑んだミランは、引き分け以上で優勝という状況を迎えていた。当時ミランを率いていたマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、出場停止明けのズラタン・イブラヒモビッチをスタメンに起用。スコアレスドローで優勝が決まったこの試合でフル出場を果たしている。

現在は比較的若い選手の多いミランだが、当時は歴戦のベテランたちがチームを牽引していた。この試合のスタメンには、2000年代のミラン黄金期を支えたジェンナーロ・ガットゥーゾやアレッサンドロ・ネスタ、クラレンス・セードルフ、ジャンルカ・ザンブロッタといった名前が並んでいた。

ネスタの相棒は、現在チェルシーで活躍するチアゴ・シウバが務め、ロビーニョやマルク・ファン・ボメルといった大物もスタメン出場。ベンチにもアンドレア・ピルロやマッシモ・アンブロジーニ、アレシャンドレ・パトといった実績十分な選手たちが控えていた。

これだけ豪華なメンバーが揃っていれば、リーグ制覇を成し遂げても全く不思議ではない。しかしここからのミランは、経営不振なども重なって世代交代がうまくいかず、暗黒期に突入してしまった。

あの頃の輝かしいミランを取り戻すために一肌脱いだイブラヒモビッチは、見事にスクデット獲得までチームを蘇らせた。パオロ・マルディーニ氏やガットゥーゾ氏、セードルフ氏といったOBも管理職としてチーム再建に奮闘してきたが、現役選手としてこのプロジェクトに携わり、見事結果を出したイブラヒモビッチには脱帽だ。

数々のビッグクラブを渡り歩いてきたため、ミラン在籍年数はここまで5シーズンとそれほど長くないものの、イブラヒモビッチの名がミランレジェンドの系譜に加わることはまず間違いない。かつて彼は自らのことを“神”と称したが、実際にミランファンから神のように崇められたとしても不思議ではないだろう。

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