かつては第2GKとしてそれなりに試合にも出ていたが
リヴァプールの守護神がブラジル代表アリソン・ベッカーであることはお馴染みだが、実は第3GKまでクオリティの高いGKを揃えている。
ここ1~2年、リヴァプールは第2GKを23歳のアイルランド代表クィヴィン・ケレハーが、第3GKを35歳のアドリアンが務めている。ケレハーは今季全公式戦8試合に出場したのに対し、アドリアンはカラバオ杯1試合のみの出場に留まっている。
第3GKであるアドリアンに加え、ディボック・オリギ、ジェームズ・ミルナーの3人は今夏で契約が終了する。英『The Mirror』によれば、クロップ監督が記者会見で「彼らがリーグ最終戦でサポーターたちから見送られることになるのか」と問われると「退団が確実な選手であれば見送ることができるが、それはオリギだけだろう?」と発言。アドリアンとミルナーは契約延長の可能性があることを示唆した。
クロップ監督がミルナーを残したいと考えるのは当然だ。サイドバックとしても起用できるユーティリティ性を備えている上に、36歳のベテランということもあり、チームを魂で引っ張ることができる。戦力としてもリーダーとしても計算できるこの選手をそう簡単に手放すわけにはいかない。
ところがアドリアンも世間に見えないところでチームに貢献しているようだ。同メディアはこのベテランキーパーがチームの人気者であり、ケレハーにとってお手本となる重要な存在だと主張。アドリアンはドレッシングルームや練習場でもチームに貢献しているということなのだろう。
第3GKとなればほぼ出場機会がないと宣告されているのと同じで、1シーズンに1回あるかないかの出番のためにトレーニングを続けなければならない過酷なポジションだ。クロップ監督はそのポジションにいる選手の大変さと重要さを理解しているからこそ、その役割を全うするアドリアンを評価し、契約延長を望んでいるのだろう。
メディアを使ってアドリアンの必要性をさりげなくアピールするあたり、さすがクロップ監督といったところ。クロップ監督のモチベーターとしての能力の高さが窺えると共に、リヴァプールの強さの秘訣がこういった部分にも垣間見える。