カカーはジダンに続くバロンドール受賞者兼名将となれるか A級ライセンスを取得し指導者の道へ

ミランで輝きを放った現役時代のカカー氏 photo/Getty Images

メッシ・ロナウド時代直前のバロンドール受賞者

圧倒的なスピードのドリブルを武器に、世界に衝撃を与えたカカー氏は2007年にバロンドールを受賞。2017年限りで現役を引退したが、それから約5年が経った今、再び表舞台に姿を現すときがやってきた。

カカー氏は自身のSNSにて、ブラジルサッカー連盟発行のA級ライセンス証明書を手にした写真をアップ。この投稿に「あと足りないのはチームだけだ」とコメントを添えており、指導者としてのキャリアを歩み始める準備が整ったことをアピールしている。

「名選手は名監督にあらず」とよくいうが、はたしてカカー氏はその定説を覆すことができるのか。過去にはヨハン・クライフ氏がバルセロナの監督としてドリームチームを作り上げたこともあったが、近年の受賞者では、ブラジルのロナウド氏やパベル・ネドベド氏など、クラブ経営に携わる人物も多く、監督に挑戦する割合は意外と多くない。

カカー氏の1年前にバロンドールを受賞したファビオ・カンナバーロ氏は指導者の道を歩んでいるが、これまでは中国やサウジアラビアといったアジアの舞台でしか監督を務めることができていない。2004年受賞者のアンドリー・シェフチェンコ氏は長年ウクライナ代表を率いていたが、今冬にセリエAのジェノアで監督に就任。約2ヵ月で解任されてしまったものの、欧州5大リーグでの指導者キャリアを築き始めた。

そんな中でも例外はジネディーヌ・ジダン氏だろう。現役時代は世界を代表するファンタジスタとして、フランス代表やユヴェントス、レアル・マドリードで活躍し、1998年にはバロンドールを受賞。現役引退後は古巣レアルの監督に就任し、チャンピオンズリーグ3連覇という偉大な記録を作り上げた。

カカー氏の指導者としてのキャリアはまだ始まったばかりで、期待するのは早過ぎるかもしれないが、ジダン氏に続く名選手兼名将というキャリアを作り上げてほしいところ。カカー監督率いるブラジル代表、ジダン監督率いるフランス代表、カンナバーロ監督率いるイタリア代表がW杯で戦うなんてことも、もしかするとありえるかもしれない。

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