チームのアクシデントを救った38歳大ベテランの経験値 チームに“落ち着き”をもたらした皇帝・長谷部誠の神髄

長谷部誠がチームのピンチを救った photo/Getty images

PK戦を制し見事優勝を果たした

19日に行われたEL決勝戦フランクフルト対レンジャーズの一戦は120分で決着つかず、最終的にPK戦を制したフランクフルトが優勝を決めている。今大会は無敗でのタイトル獲得と強さを見せており、1979-80シーズンに制したUEFAカップ以来42年ぶりの優勝を果たしている。

そんな素晴らしい成績を残したフランクフルトで活躍したのが、鎌田大地、長谷部誠の2人の日本人だ。特に鎌田はほとんどの試合でスタメンに選ばれており、ELでは5ゴールを決めている。日本人が欧州のカップ戦で優勝するのは01-02シーズンのフェイエノールトの小野伸二以来であり、新たな歴史を刻んだ。

38歳と大ベテランの長谷部は今季どちらかといえばベンチスタートが多く、このファイナルもスタメンではなかったが、後半に3バックの中央を務めるトゥタが負傷でプレイ続行不可能となると、長谷部が満を持してピッチに投入された。

リーグタイトルのかかった試合、さらに両チームのファンから発せられるプレッシャーとピッチは異様な空気に包まれていたが、長谷部は動じずチームに冷静さをもたらした。すぐさま試合に適応し、最終ラインからチームを鼓舞している。

ビルドアップでは的確な判断が目立った。ボールを持っても急がず落ち着いてパスコースを探す。ショートパスだけでなく時には相手の急所を突くロングフィードも供給しており、攻撃を活性化させている。

守備面では強度の高さが光った。後半から入ったということもあって体力的にアドバンテージがあったのか、デュエルでは6戦6勝で勝率100%を記録。レンジャーズのアタッカーとの一対一の場面では上手く足を残すなど突破を許しておらず、守備の軸として輝いている。

英『90min』では長谷部を「経験値をチームに提供し、落ち着きをもたらした」と評価している。英紙でも彼が入ったことでチームに安定感が生まれたと主張しており、長谷部のパフォーマンスを称賛している。

EL優勝となり、来季は欧州最高峰の舞台であるCLで戦う権利を得たフランクフルト。来シーズンにはリヴァプール対レアル・マドリードの勝者とUEFAスーパーカップで戦うことになっており、長谷部らの活躍に注目だ(データは『SofaScore』より)。

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