ブラジル戦で見たい橘田、伊藤、藤本らニューカマーの実力 未招集組のテストを示唆した森保一監督は誰を選ぶ?

6月の親善試合では伊藤洋輝はじめ新戦力が招集されることになるか photo/Getty images

期待できる選手が日本サッカーには揃っている

6月に予定されていた日本代表の親善試合の対戦相手が先日、明らかになった。2日にパラグアイ代表と対戦。6日にはブラジル代表と、10日にはガーナ代表と、14日にはチリ代表、またはチュニジア代表と戦うことになった。特にブラジル戦は楽しみだ。ネイマール擁する攻撃陣も素晴らしいが、ファビーニョ、チアゴ・シウバ、アリソン・ベッカーをはじめとするプレミアリーグで戦う屈強な守備陣を揃えており、彼らに日本の攻撃がどこまで通用するのかよい腕試しとなる。

そんなサムライブルーを支える森保一監督がオンライン取材に対応し、アジア最終予選のメンバーをベースに最終予選で呼ばれることのなかった選手も含め、30人前後の招集を予定していると明かした。アジア最終予選ではなかなか新戦力をテストできなかっただけにこの発言は非常に楽しみである。

最終ラインではDF伊藤洋輝が最初に試されるべきだろう。今季初の海外挑戦となった同選手だが、すでにシュツットガルトでは出場機会を確保している。188cmの高さに加え、速さも彼の武器であり、左利きであるということもアドバンテージの一つだ。後方のビルドアップでレフティがいることでパスを配球できる角度が広がり、より前線にボールを届けやすくなる。現状センターバックはすでに吉田麻也、冨安健洋、板倉滉、谷口彰悟と4人がすでに決まった感はあるが、伊藤であれば彼らとポジションを争えるだけの実力はある。また、彼が入ることで3バックも視野に入れることができ、可能性を広げてくれる22歳である。

次にオランダのAZで活躍するDF菅原由勢だ。21歳と非常に若い選手だが、右サイドバック以外に右サイドハーフで起用されるなど、クラブではユーティリティ性が評価されている。攻撃力、守備力を両立したレベルの高いサイドバックであり、こちらも酒井宏樹、山根視来の2人を脅かす存在になれるだろう。

中盤が最も重要であり、遠藤航、田中碧、守田英正らに続くことができる選手が欲しい。アンカーであれば川崎フロンターレのMF橘田健人の名前が挙がる。169cmと小柄な選手ではあるが、配球力、危機察知能力に優れており、田中と旗手怜央が抜けた中盤を支えている。ピッチを俯瞰しているかのような視野の広さを持っており、正確なパスで味方にボールを届ける。インサイドハーフも経験している選手であり、いざとなれば持ち運べる点も魅力の一つだ。

国内でいえば鹿島アントラーズのMF樋口雄太も強力なオプションになり得る選手だ。とにかく正確なパスが武器であり、ショートパス、ロングパスと様々な球種で鹿島の攻撃を活性化させていく。守備で体を張ることも可能で、直近のセレッソ大阪戦ではインターセプト、タックルを共に2回成功させており、ボール奪取から起点を作っている。ボールを失わない安定感の持ち主であり、スキルの高さはすでに保証されている。

ポルトガルのジル・ヴィセンテで活躍するMF藤本寛也も、そろそろ招集を期待したい。クラブでは昨季控えからの出番が多くなったが、今季のプレイタイムは2181分とすっかり主力の座に定着している。魅力はパスからの打開であり、今季2ゴール1アシストと数字では物足りなさを感じるが、ビッグチャンスクリエイト数はチーム最多の9回を記録。チームでは最も好機を作り出す選手として躍動しており、インサイドハーフやトップ下、2トップの一角など複数のポジションで起用できる点はスカッドに組み込みやすい。

未招集ではないが、MF鎌田大地はアジア最終予選の終盤に突然招集外となってしまった選手だ。しかし、フランクフルトではその攻撃力の高さを遺憾なく発揮しており、ELのウェストハム戦では決勝点を挙げチームを勝利に導いている。ウェストハム戦で再確認することになったが、やはりライン間でボールを受けることに長けており、そこからのチャンスメイクはプレミアリーグ7位のチームでさえ苦しめられていた。プレッシャーを与えても動じないスキルの高さは厄介であり、抜け出しの質も高い。ゴール後には追加点を狙えるチャンスもあり、彼をこのタイミングでチームに戻さない手はない。

ここ最近ゴールから遠ざかっているが、ビーレフェルトのMF奥川雅也も興味深い選手の一人だ。ドリブルが特長的な選手でJリーグ時代には「古都のネイマール」というニックネームを付けられるほどだったが、現在ではボックス内での動き出しに長けたストライカーとしての一面も見せている。DFがボールウォッチャーになったタイミングでボールを受けるのが非常に上手く、パサーであるパトリック・ヴィマーとの相性は抜群だ。守備でも走れるスタミナを持つ選手であり、試す価値は十二分にある。

ここまでで紹介した7人の選手以外にも、試してほしい人材はいるが、前述した彼らは旬な選手であり、今のサムライブルーを脅かす力は持っている。特に伊藤と鎌田、奥川はブンデスリーガでスタメンを張る実力者であり、彼らと現有戦力をどう融合させるのか6月の親善試合で期待したい(データは『SofaScore』より)。

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