トラオレの本当の使い方はFWではない? 獲得を熱望していたコンテが提案する“意外なポジション”とは
バルセロナでは苦戦中でのアダマ・トラオレ photo/Getty images
いつか見られることになるのだろうか
スペインを代表するフィジカルモンスターはどのように起用すれば、最大限能力が発揮されるのか。バルセロナで控えとなってしまっているFWアダマ・トラオレのことである。
プレミアのウルブズで名を揚げ、今冬の移籍市場で古巣であるバルセロナへ復帰したトラオレ。移籍当初は突破力を生かしたプレイでチームから信頼を掴みつつあったが、現在はウスマン・デンベレの復帰によって右サイドのファーストチョイスとなれていない。プレイタイムもそこまで多くはなく、0-1で敗れたカディス戦でも途中からの投入で13分と短いチャンスしかもらえなかった。
そうなっている要因はやはり、プレイのバリエーションの少なさだろう。基本的にボールを持てば縦への突破からクロスだが、このクロスはそこまで高精度とはいえない。突破力に関しては1月に離れたプレミアリーグで未だにドリブル成功数83回はリーグ2位の数字となっており素晴らしいのだが、その武器を最大限に生かせていないのだ。そのため、バルセロナでは現在スタメンではなく、買い取りオプションが行使されなければ今季終了後にはウルブズに戻ることになるだろう。
そこからウルブズの指揮官であるブルーノ・ラージ監督がどうトラオレを生かすのかは分からないが、今冬の移籍市場で獲得を狙っていたトッテナムのアントニオ・コンテ監督はトラオレの起用法について面白い考えを持っている。その考えとは従来のウイングではなく、一つポジションを下げたウイングバック起用である。英『talk SPORT』によればコンテはトラオレを右WBとして考えており、今冬の移籍市場での獲得を熱望していたようだ。
結局トラオレはスパーズへ移籍せずに古巣であるバルセロナへ戻ることになったが、コンテのもとでプレイしていればどうなっていたのかは非常に気になる。WBはサイドを縦横無尽に走り回る体力と縦への推進力が求められるポジションだ。トラオレはその両方を兼ね備えており、さらに突破からクロスという一つの型を持っている。懸念点としては5バックとして最終ラインに下がった際の守備対応など不透明な部分もあるが、トラオレの武器とWBというポジションはマッチしている。
ウルブズ、バルセロナではFWでプレイするも、得点力、アタッキングサードでの打開力が足りないトラオレ。それでも、一つポジションを下げたWBではまた見える世界が違ってくる。再びスパーズがトラオレ獲得に動くことはなさそうだが、スペインが誇るフィジカルモンスターのWB起用はどこかで見てみたいものだ(データは『SofaScore』より)。