前田「さて、対スペイン、対ドイツと、非常に厳しい相手となりました。この相手から勝点を獲らなければ先はないわけで、現状の招集選手をベースに『勝てるメンバー』を考えてみたいと思います。まずはGKから」
藤井「現・正守護神の権田はまず当確でしょうね」
前田「そうですね。ハイボールの処理などを不安視する声もありますが、いきなりGKを代えることは考えづらい。他のGKも実力的に遜色ないなかで、権田が信頼を掴んでいるのは、コーチングなど目に見えない部分の貢献が大きいのかなと考えられます」
松尾「そうなのでしょうね。ロンドン五輪でスペインを破ったときのGKも権田でしたし、そういう経験の意味でもアドバンテージがあると思います」
中村「川島に関しても、次のGKを育てるためのメンター的な役割で呼ばれているのではないか、という見方もありましたが、予選最終節のベトナム戦では彼がスタメンでした。もちろん国際舞台の経験値もずば抜けていますし、森保監督のなかで揺るがない信頼があるのでしょう」
前田「あと1人は、やはりシュミットでしょうかね。197cmというサイズは、世界で戦う際には魅力的」
藤井「そうですね。最終予選では谷も4人目のGKとして呼ばれましたが、彼は若くて将来性もある選手なので、サポートメンバーとして帯同させるのが良いのではないかと思います。シュミットなら、高さのあるドイツのセットプレイなどでも対応できそうですよね」
前田「結果、今の3人はベストなのかもしれないですね。ではDFはどうでしょうか。相手にボールを持たれる展開が予想されるだけに、ここは極めて大事なポイント」
中村「主将の吉田を外すことは、まずないでしょう。彼の経験値は貴重ですし、権田と同じく五輪でスペインを破ったときのメンバーでもあります」
松尾「そうですね。CBの相方は冨安、バックアップに板倉、谷口というところでしょうか」
前田「安定感で言えば、その4人は外せないですね」
藤井「ドイツ戦もスペイン戦も、彼らからボールを奪ったときに後ろのスペースをいかに突くかという戦いになるはずです。長いパスを正確に出せるということを考えても、冨安や板倉らの力は必要になってきますね」
中村「海外での経験というところも、考慮に入れたいですよね。そうなるとSBも酒井、長友が、やはり外せない存在ということになってきます」
松尾「ドイツが相手となれば、ブンデスリーガでの経験値も大事。そうなると面白いのが、シュツットガルトのレギュラーCB伊藤洋輝の存在です」
前田「貴重な左利きだしね。いざとなればSBもやれるし。ロングフィードの精度も高いから、一気に対角の伊東まで通すパスなど期待できる。相手の足が届かないところにボールを置く、左足でのキープも素晴らしい。代表未招集ですけど、1人目のサプライズ招集候補は彼で決まりじゃないでしょうか」
藤井「押し込まれる時間が長いことを考えると、5バックでスペースを消したり、SBにもCBタイプを置くというような工夫が必要かもしれません。伊藤は左、冨安は右のSBができるし、もちろん中山もいます。攻撃を跳ね返しつつ好機を伺って、スペースを突いて一気に攻めるという形をベースとするなら、中山も必要な人材じゃないでしょうか」
中村「あと1人面白いと思うのが、シント・トロイデンの橋岡大樹。リーグ戦では屈強な欧州のDF相手に高い空中戦勝率を記録していますし、クロスの精度も上がってきました。サイドに起点を作らせないという意味でも、彼を連れて行くのは選択肢に入ると思うんです。これもサプライズになりますね」