日本の武器「守備」をどう生かすかがグループステージ攻略のカギ 4人のCBを並べる平均身長187cmの壁を作れ
シュツットガルトで躍動中の伊東洋輝を代表でどう生かすかは注目ポイントである photo/Getty images
冨安を右に置く案は以前から出ていた
無事ワールドカップ・カタール大会への進出を決めた日本代表。これで1998年のフランス大会から7大会連続での出場であり、そろそろ目標としている8強入りを目指したい。しかし、今回のグループステージでの対戦相手はスペイン代表、ドイツ代表と大会の中でも屈指の強豪であり、難しい戦いとなるだろう。
そんな日本代表だが、この2カ国との対戦ではどうやってゴールを奪うかよりも、どうやって失点を防ぎきるかが重要となる。弱気になるのはよくないが、最悪0-0で引き分けて勝ち点1を獲得し、第2戦のニュージーランド代表もしくはコスタリカ代表を破り、勝ち点5で決勝トーナメントに進むのが理想だといえる。
真っ先に浮かぶのが、5枚を最終ラインに並べた5バックのシステムだが、アジア最終予選では4バックで戦っており、ここで急に切り替えるのも難しい。本大会までの親善試合は残り6試合であり、システムはそのままにどれだけ守備の強化が行えるかが重要となる。
そこで期待したいのは冨安健洋の右サイドバック起用だ。日本代表では基本的に吉田麻也とコンビを組むセンターバックのプレイヤーだが、アーセナルで評価されているのはサイドバックである。特に称賛されているのは守備の部分であり、対人性能での評価が高い。プレミアのアタッカーに屈しないスピードに加え、188cmの高さは大きな武器であり、彼を右に置くのも悪くない。
左であれば伊藤洋輝の名前が挙がる。今季シュツットガルトで大きく飛躍した選手であり、フル代表入りが待たれる逸材だ。クラブでは3バックの左や左ウイングバックを任されている選手であり、守備的なサイドバックであれば左でも起用できる。冨安と同様に速く、高い選手であり、左足から放たれる正確なフィードは魅力の一つである。サムライブルーには三笘薫や伊東純也のように技術の高いドリブラーが多く、伊藤のフィードから一気に敵陣に攻め込むシーンは容易に想像できる。
冨安をサイドに置けると考えられるのも、板倉滉の成長が大きい。シャルケでの活躍はもちろんのこと、日本代表でも冨安、吉田の不在時に谷口彰悟と共にアジア最終予選に出場してクリーンシートを達成している。
吉田、板倉の最終ラインに冨安と伊藤を加えれば平均身長187cmと、世界にも通用する高い最終ラインとなる。高さだけがすべてではないが、押し込まれた際の空中戦ではこちらが有利となる。
カタールではチームの強みである“守備”を前面に出したい日本代表。あまり試したことはないが、CBタイプを4枚並べるのも悪くはなく、スペイン代表、ドイツ代表と超攻撃的なチームには日本の守備的な並びで対抗するのがベストといえるか。