スペインのジョーカーだった男は“12年ぶりのW杯”目指す 36歳でも速いSBが描く夢

今はサイドバックを務めるナバス photo/Getty Images

アスピリクエタらと勝負だ

スペイン代表の右サイドバックは激戦区であり、中でも今年のワールドカップ・カタール大会へ注目したいのは経験豊富なベテランだ。


安定感ならばチェルシー所属のセサル・アスピリクエタが右サイドバックの1番手となるだろう。派手さはないが、守備の対人戦では信頼できる強さがある。チェルシーでも充実のシーズンを過ごしており、リーダーシップを発揮できる点でもカタール大会に挑む代表メンバーに入ってくるのは間違いない。

さらにはレアル・マドリードDFダニエル・カルバハルもいる。近年はコンディションが気がかりだが、カルバハルも一時期は世界最高のライトバック候補に挙げられていた人物であり、好調時は1対1の守備でも絶対的な強さを誇る。

若い選手ではマンチェスター・シティからスポルティング・リスボンにレンタル移籍している22歳の攻撃型サイドバックのペドロ・ポロも候補者か。まだスペイン代表で絶対的な地位は築けていないが、招集歴はある。

そこに割って入れるだろうか。まだカタール行きを諦めていないのは、セビージャでプレイする36歳のヘスス・ナバスだ。

今季は筋肉系の故障で長期離脱している時期があったが、すでに復帰している。セビージャではキャプテンマークも巻いており、2010年のワールドカップ・南アフリカ大会優勝を知る数少ないメンバーの1人だ。

当時は途中出場から流れを変えるジョーカーとして右のウイングに抜擢されていたが、年齢を重ねてからはセビージャでも右サイドバックをこなしている。今も自慢のスピードは健在で、2020年も代表には招集されていた。

残念ながら昨夏のEURO2020ではメンバーに入らなかったが、スペイン『as』はナバスがカタール行きを諦めていないと伝えている。セビージャは今季好調のクラブであり、ナバスの状態次第ではメンバー候補に入ってくるか。

2010年大会こそナバスはスーパーサブとしてスペイン代表の優勝に貢献したが、2014年のブラジル大会と前回大会はメンバーに入っていない。12年の時を経て2度目のW杯出場となれば珍しいキャリアだが、ナバスはその可能性を捨てていない。

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