中盤はリーガ・エスパニョーラのオールスター揃い踏み スペイン代表は今、誰がいる?MF編

スペイン代表でも圧倒的なパフォーマンスを披露するペドリ photo/Getty images

強力な陣容だ

難しいアウェイの地でオーストラリア代表を下し、ワールドカップ・カタール大会行きを決めた日本代表。開催は11月だが、早くも抽選会が行われグループステージの相手が決まった。1つの枠は大陸間プレイオフの勝者と未定だが、残りの枠はスペイン代表とドイツ代表となった。これまでにない強豪との対戦であり、サムライブルーが彼らにどう立ち向かうのか楽しみだ。

特にスペイン代表はEURU2020でも4強入りと結果を残しており、今回のカタール大会では優勝候補の一つだ。その中でも中盤の選手層は厚く、世界でもトップレベルにある。

基本的には[4-3-3]のシステムを形成しており、アンカーの前にインサイドハーフが2枚並んでいる。スペイン代表を語るうえで欠かせないのが、このアンカーを務めるバルセロナのセルヒオ・ブスケッツ(33)だ。ボールの配球力に長けたパサーで、ボールを受ける位置と正確なキック精度を武器に前線にパスを供給し続ける。スペイン代表の攻撃を止めるには彼を防ぐ必要があるのだが、相手を外す技術も上手く、止められない。今季、リーグでのパス成功数1790本は断トツトップで、2位のトニ・クロース(1639本)を大きく離している。彼の代役としてはマンチェスター・シティのロドリがおり、彼も十分に素晴らしいアンカーなのだが、偉大すぎるブスケッツからポジションを奪えずにいる。アンカーは基本的にこの2人でローテーションすることになり、何かアクシデントが起こらない限りはブスケッツが日本戦で出てくるだろう。

アンカーの前のインサイドハーフにはブスケッツと同じくバルセロナでプレイし、チームの未来として大きな期待を寄せられるペドリ(19)とガビ(17)がいる。

ペドリはEURO2020、東京五輪でフル稼働したこともあって今季のバルセロナでは疲労の影響で前半戦を休んだが、1月に復帰して以来は怪我無くプレイしており、チームの攻撃をけん引している。現ヴィッセル神戸のアンドレアス・イニエスタを彷彿とさせるプレイスタイルの持ち主であり、複数人でプレッシャーを仕掛けても簡単にかわされてしまう。そこからのパスやシュートは絶品であり、一つのキックで守備陣を崩壊させてしまうスルーパスは必見だ。

ガビは今季ブレイクした選手で、ルイス・エンリケ監督はバルセロナでトップチームデビューしたばかりのガビをスペイン代表に呼び、今では常連選手となっている。ペドリのようにポジショニングやパスで攻撃に違いを作れるバルセロナらしい選手であり、ペドリとの差別化点はより攻撃的な位置でプレイすることだ。現在ではそこまで見られないが、バルセロナでは左ウイングで起用されていた時期もあり、ジョルディ・アルバやフレンキー・デ・ヨングらとの連携で相手の守備陣を崩していた。推進力のあるドリブルは彼の武器であり、要注意の超新星だ。

ベテランとなったアトレティコ・マドリードのコケ(30)はインサイドハーフを務める選手であり、ブスケッツが招集外となった今回の親善試合ではアイスランド戦でアンカーを務めている。とにかく走るハードワーカーのイメージを持つコケだが、その根幹には高い技術とインテリジェンスの高さがあり、攻守両面での活躍が期待できる選手だ。攻撃面ではゴール前への飛び出しを得意としており、彼のマークの受け渡しは重要となる。

同じくアトレティコからはマルコス・ジョレンテ(27)も招集された。ジョレンテは中盤の選手だが、クラブ、代表共にポリバレントな選手として起用されている。5-0で快勝したアイスランド戦はインサイドハーフ起用だったが、右サイドバックとして使われることも多く、昨季のアトレティコではそのユーティリティ性を存分に発揮して12ゴール11アシストと素晴らしい数字を残した。闘将ディエゴ・シメオネの教え子らしく献身的な守備を兼ね備えており、より前線でプレイすれば得点に絡むことができる。さらに推進力のあるドリブルに動き出しと引き出しが多く、万能でポリバレントな才能を発揮している。スペイン代表の右サイドバックはレアル・マドリードのダニエル・カルバハル、チェルシーのセサル・アスピリクエタがいるが、カルバハルはレアルで衰えを指摘されることが多く、攻撃的なオプションとしてジョレンテがその位置で起用されることもある。

ここまでは複数の実力者を紹介したが、中盤はスペイン代表で最も選手層の厚いポジションであり、彼ら以外であればリヴァプールのチアゴ・アルカンタラやバレンシアのカルロス・ソレール、レアル・ソシエダのミケル・メリーノ、ナポリのファビアン・ルイスらがいる。カタール大会は来季のシーズン途中にあり、コンディション次第で招集される選手も変わってくるが、層が厚いため多少の主力が招集外となっても戦力ダウンにはならないだろう。日本代表が彼らにどう立ち向かうかは注目ポイントの一つであり、森保ジャパンに期待だ(データは『SofaScore』より)。

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