環境を変えることで直るものなのか 移籍を希望するラッシュフォードの致命的な弱点

マンチェスター・ユナイテッドでの序列が下がっている生え抜きマーカス・ラッシュフォード photo/Getty images

今季は特に目立つ

今季2度目となるマンチェスター・ダービーを戦ったマンチェスター・ユナイテッド。早い時間で失点を喫するも、ジェイドン・サンチョのゴールで食らいついており、白熱した一戦になるかと思われたが、時間が経つにつれて両者の差は大きく開いていった。最終的には1-4での敗戦となり、プレミアでの順位もアーセナルに抜かれ、5位に後退している。

昨季は2位でリーグ戦をフィニッシュしたユナイテッドだが、今季は苦しい。勝ちきれない試合が多く、引き分けはすでに8回もある。先制するも追いつかれてしまうパターンが多く、攻守に安定感がない。

安定感といえば昨季11ゴール9アシストと、リーグ戦だけで20ゴールに関与したチームの生え抜きの勢いがなくなってしまっている。マーカス・ラッシュフォードのことだ。

2015年にトップチームデビューし、同シーズンのマンチェスター・ダービーで得点を決め、一気に頭角を現したラッシュフォード。背番号を10に変更してからはより一層結果を残していたが、今季はリーグ戦で868分のプレイタイムしか得られていない。ゴール数も4ゴールと少なく、以前までの活躍と比較すれば不調のシーズンとなっている。直近のマンチェスター・ダービーでもベンチスタートであり、終盤での出番となったが特に存在感を示せず試合が終了している。

10番に見合わない今季のラッシュフォードだが、移籍を検討しているとのこと。ジャーナリストのファブリシオ・ロマーノ氏によればクラブから与えられているプレイタイムと役割が自身の求めているものと差が大きいようで、新天地を探す可能性があるという。現状の契約は2023年までであり、利益を得るのであれば来夏での移籍がベストのタイミングとなる。

それでも、ラッシュフォードの改善点は状況判断であり、それが移籍先で改善されるかはわからない。トレーニングでは勤勉だと英『Besoccer』にてラルフ・ラングニックが語っており、どちらかといえば技術ではなく、インテリジェンスの部分で変化を与える必要がある。身を置く環境が変わることで一気にスランプを抜け出すことができる例もあるが、それがラッシュフォードに当てはまるかどうかは本人次第である。

ジェイドン・サンチョの加入、アンソニー・エランガの台頭、自身の不調が重なって序列が下がっているラッシュフォード。まだ24歳の選手であり、シティのラヒーム・スターリングのように同じクラブでプレイを続けてもスランプから抜け出せる可能性はあるが、今後どのような判断を下すのか注目したい。

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