早くも今季は2得点をマークしている
久保建英や堂安律、冨安健洋ら海外組を中心とした構成で臨んだ東京五輪。グループステージでは南アフリカ、メキシコ、フランスといった強豪揃いの組になるも全勝で決勝トーナメントへ進んだ。3試合で7ゴールを奪う得点力の高さを見せつけるも、決勝トーナメントでは疲労もあってか攻撃陣が沈黙。計3試合で1ゴールしか奪えず、4位で大会を終えている。
そんな暑い夏の激闘から早くも半年が経過しており、2024年に予定されているパリ五輪に向けたU-21代表候補の国内合宿に参加する24名が発表された。合宿後に再びメンバーが発表されることになっており、月末に予定されているドバイカップを戦うことになっている。
レアル・マドリードの中井卓大ら海外組は召集されておらず、国内組のみの召集となったが、多くの実力者が集められた。その中でも注目は清水エスパルスのMF鈴木唯人だ。
千葉の名門市立船橋高校で10番を背負い、2020年に清水に加わった鈴木。加入初年度から継続した出場機会を得ており、昨季は出場した33試合のうち、25試合で先発するなど大きく飛躍した一年となっている。今季もここまで2試合ともに先発フル出場であり、早くも昨季の記録に並ぶ2ゴールを決めている。
清水では[4-4-2]の前線2トップで起用されている鈴木だが、複数のポジションでプレイできるユーティリティ性を持っている。昨季はセンターフォワードに加え、両サイドや2列目の中央でも起用された。彼の戦術理解度の高さとパスやドリブル、シュートと必要な能力を高水準で兼ね備えていることでなせる業であり、2-1で勝利したジュビロ磐田戦ではそれが顕著に出ていた。1ゴール目は点を取るストライカーの動きを見せ、中山克広の2ゴール目は鈴木が中盤でためを作ってそこからスルーパスを供給するトップ下の働きを見せた。このユーティリティ性は少ない人数で臨む必要のあるオリンピックでは重要となってくる。
情勢の影響から最終的には中止となった1月に予定されていたウズベキスタン戦だが、そのための代表合宿に鈴木はフル代表として呼ばれている。20歳と若い選手だが、フル代表では森保一監督に、U-21では大岩剛監督に戦力として計算されており、今後どのような活躍を見せるのか楽しみだ。