レアルは久保建英を試そうとしている? トップチーム復帰に立ちはだかる大きな壁

バレンシア戦では久保の技術の高さが伝わってきた photo/Getty images

バレンシア戦のパフォーマンスは見事であった

26日に行われたリーガ・エスパニョーラ第26節マジョルカ対バレンシアの一戦は0-1でアウェイチームが白星を挙げている。

マジョルカとしては残念なゲームになったが、日本代表久保建英の躍動が目立った。この日もサイドで先発すると、自慢のドリブルを武器に敵陣を切り裂く。スピードとテクニック、キレの三拍子が揃った久保を止めるのは難しく、バレンシア戦の久保の被ファウル数は7回と彼の無双ぶりが伝わってくる数字だ。ゴールに絡むことはできなかったが、バレンシアを苦しめたドリブルとスルーパスを継続して披露することができれば一気に花開くことになる。

そんな久保だが、保有元であるレアル・マドリード復帰の可能性があるようだ。西『AS』によると、トップチームで出番を得るのは非常に難しいが、レアルは久保の呼び戻しを検討しているという。今季はアトレティコ・マドリード戦やアスレティック・ビルバオ戦のように勝利を決定づける決勝点に絡むことが多くなっており、前述したバレンシア戦ではファウルでなければ止めることのできないドリブルを披露している。20歳と若く、将来有望であり白い巨人がトップチームに戻したくなるのもわかる。

しかし、レアルでの問題は多い。現在の3つのEU圏外枠はヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ、エデル・ミリトンのブラジルトリオに振り分けられている。彼らはスペインでの生活が長く、国籍取得をすでに試みているようだが、近年の情勢の影響から進んでいないという。本来は21-22シーズンからEU圏内の選手になる手はずだったが、まだ完了していない。来季までこの作業が完了しなければ久保の居場所はない。ヴィニシウスとミリトンは主力であり、ロドリゴも貴重な戦力として数えられている。

また、この問題が解決したとして久保がプレイすると考えられている右ウイングはライバルだらけだ。現状ではロドリゴ、マルコ・アセンシオ、エデン・アザール、ガレス・ベイルらがおり、パリ・サンジェルマンからキリアン・ムバッペがやってくれば前線の3枚はかなり狭き門となる。かといってインサイドハーフも選手層が厚く、難しいだろう。

レアルに加入して今季で3年目となる久保。昨季は大ブレーキとなったが、今季の出来はまずまずといったところ。バレンシア戦のパフォーマンスを継続できればベストであり、シーズン後半戦の活躍が来季の所属チームに影響することになりそうだ(データは『SofaScore』より)。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ