エヴァートン戦の前半は攻撃が停滞していた
終盤フィル・フォーデンのゴールで勝ち越しに成功し、1-0でエヴァートン相手に勝利を収めたマンチェスター・シティ。前節はトッテナムに敗れており、リヴァプールとリーグタイトルを争う中での2戦勝ちなしという最悪な状況は免れた。
このゲームはエヴァートンの堅守に苦しむことになったが、もう一つ攻撃が停滞した要因としてインサイドハーフに問題があったといえる。
エヴァートン戦は基本スタイルである[4-3-3]で試合に臨み、インサイドハーフにはイルカイ・ギュンドアンとケビン・デ・ブライネを配置したジョゼップ・グアルディオラ。しかし、彼らにいい形でボールが入ることは少なく、相手の守備陣形の外でパスを回すことが多くなり、特に前半はチャンスを作れていない。英『manchester evening news』ではギュンドアン、デ・ブライネの2人が動けていなかったと走力不足を指摘している。これは数字にも出ており、4-0で勝利したノリッジ戦でのギュンドアンのパス数が65本だったのに対し、エヴァートン戦は77分にベンチに下がったが、37本と少ない。その差は28本であり、彼がゲームに入れず、中盤から攻撃に厚みを生み出せなかったことがわかる。
この状況を変えるには走力のあるインサイドハーフが必要になり、フォーデンへクロスを供給したベルナルド・シウバは理想的な人物だ。動き出しにテクニック、走力と完璧であり、今後は彼をインサイドハーフで継続して起用すべきだ。
ゴールを決めたフォーデンもインサイドハーフでの起用が見てみたい。トップチームに上がってきた当初はそこの選手だったが、ユーティリティ性を買われ左ウイングやトップで起用されている。ここまで7ゴール3アシストと悪くないが、より前を向いてプレイすることができるインサイドハーフのほうが彼のパスセンスや運動量の豊富さが武器として生かされるだろう。また、新加入のジャック・グリーリッシュや若手のジェイムズ・マカティもこのポジションでプレイでき、彼らをインサイドハーフで起用するのも面白い。
ギュンドアン(31)、デ・ブライネ(30)と決して若くない2人がスタートになったエヴァートン戦の中盤の構成。走れない選手ではないが、シーズン後半戦ということもあり、物足りなさもあった。今のシティはそれを補える戦力を保持しており、思い切ってインサイドハーフの起用パターンを変更するのも悪くないか。