優秀な選手が育っている
ブンデスリーガのアルミニア・ビーレフェルトに所属する奥川雅也がリーグ戦で8ゴール目を決めるなど話題となったが、ベルギーにも彼に負けず劣らずの点取り屋がいる。FW原大智だ。
FC東京時代はそこまで目立った活躍を見せられなかった原だが、クロアチアのイストラに移籍し、14試合で2ゴール4アシストの数字を残す。すると、イストラを買収したオーナーが所有するもう一つのクラブであるリーガ・エスパニョーラのアラベスに移籍。現在はローン移籍でシント・トロイデンに加わっている。
アラベスではまだ物足りないと判断された原だが、ベルギーで通用する実力は既に備えている。ここまで途中交代も含め22試合に出場して6ゴール1アシストを記録している。これはクリスティアン・ブルースに並ぶチーム最多得点であり、直近3試合での3連勝に貢献している。
そんな原の強みはやはり、日本人離れした191cmの体格だ。空中戦勝利数101回はリーグ2位の数字であり、今後出場機会を伸ばせば1位でシーズンを終えることもできる。2-0で勝利したルーヴェン戦でも原のエアバトルの強さは際立っていた。先制点の場面ではボックス内で相手DFに厳しいマークをされながらもブルースのクロスにヘディングで上から叩きこんでいる。海外でも彼の高さは武器であり、今季ひそかにブレイクしている22歳だ。
シント・トロイデンといえばもう一人のストライカーも躍動している。サガン鳥栖から加わった林大地だ。海外一年目の林だが、既に5ゴール1アシストを記録。チームにはフィットしており、原と前線で組むことが多い。
ボックス内でストライカーとしての強さが光る林だが、彼は守備で魅せることもできる選手だ。守備時は彼が常にプレッシングを仕掛け、相手のビルドアップに圧力を仕掛けている。原と比べ178cmと高さのあるタイプではないが、カウンター時の起点作成も可能であり、チームを助けられる選手である。ボールコントロールは改善の余地ありだが、推進力のあるドリブルはベルギーでも十分に通用しており、強力なビーストとなる日もそう遠くはない。
岡崎慎司や大迫勇也といったストライカーにこれまで頼ってきた日本サッカーだが、ようやく彼らに代わることのできる選手がセルティックの古橋亨梧含め、頭角を現し始めている。特に原に関しては珍しい長身FWであり、今後の得点量産に期待が高まる(データは『SofaScore』より)。