レアルに必要なベンゼマのバックアッパー ヨビッチに残る物足りなさ

得点を奪うだけでなく、攻撃の組み立てにも参加できるベンゼマ photo/Getty Images

不在時に改めて実感するエースの偉大さ

2021-22シーズン、ここまでリーガ・エスパニョーラで20試合に出場して得点ランキングトップを独走する17ゴールを挙げているFWカリム・ベンゼマ(34)。レアル攻撃陣の大黒柱は今季も好調をキープしており、現時点でリーグ首位に立つチームの原動力となっている。

しかし、その存在感が大きすぎるゆえに、レアルにはちょっとした問題が生じている。その問題とは、彼がピッチ上にいない際に攻撃を進め方がぎこちなくなる点だ。その得点力もさることながら、味方がプレイしやすいようなポジションを取る動きも非常に上手いベンゼマ。しかし、彼が不在の際のレアルはその動きを繰り返すことができる選手がおらず、やや選手間の距離が遠くなってしまう傾向にある。ストライカーとしてだけではなく、前線のリンクマンとしても最高級の任務をこなすベンゼマが不在となれば、レアルの攻撃力は半減してしまうのだ。

そして、それは現地時間20日に行われたスペイン国王杯4回戦のエルチェ戦(○2-1)でも痛感させられることに。この試合では延長戦の末になんとか逆転勝利を掴んだレアルだったが、90分間では無得点。ベンゼマの代わりにCFで先発したルカ・ヨビッチは、前線の中央に構えたままボールを待っている状態が長く存在感を示すことができなかった。この試合のレアルはマルセロやヴィニシウス・ジュニオールの個の力を利用して左サイドから相手を攻略するシーンが目立ったものの、結局はそれも単発で終わってしまった印象が強い。もう少しヨビッチが攻撃に絡んでくれれば、多少は楽に攻撃を組み立てられたのでは……。そう感じた人も少なくなかったことだろう。
ヨビッチも自身の強みを活かそうと中央に陣取り続けたのだろうが、どうしてもベンゼマと比べれば物足りなさは否めない。ベンゼマ級の貢献を他の選手に求めるのは難しいものの、彼を休ませるためにもレアルは今後似たタイプのストライカーを補強していくべきか。ヨビッチも悪い選手ではないが、現状のレアルとは少し相性の良くない選手なのかもしれない。

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