流れからの得点数が少なすぎる モウリーニョ・ローマを悩ます攻撃の問題点

モウリーニョ監督はこの問題をどう解決するのか photo/Getty Images

セットプレイは強くても……

悪夢の7分間。現地時間9日に行われたセリエA第21節のユヴェントス戦でASローマが過ごした後半25分から32分は、まさにそんな表現がピッタリだったと言っていい。それまで3-1で試合をリードしていたジャッロロッシだが、彼らはこの7分間で一気に3失点を喫してまさかの大逆転負けの味わうこととなった。

ジョゼ・モウリーニョ監督のチームらしからぬ逃げ切り失敗。かねてよりリード時の守備に不安があったローマだが、それでもさすがに今回の敗戦はショッキングだったと言わざるを得ない。

しかし、その一方では攻撃面でも気になる部分が残った。この試合で3得点を挙げたローマだったが、多くの時間で効果的な攻撃を繰り出すことができていたかと言われれば、そうではないだろう。実際、今回のユヴェントス戦で同クラブが挙げた3ゴールのうち、2ゴールはセットプレイで奪ったものだ。流れの中から決めたのは、後半開始早々にMFヘンリク・ムヒタリアンが奪った1点のみ。それも、バイタルエリアから放ったミドルシュートが相手DFに当たってコースが変わったラッキーな得点だった。3ゴールという結果こそ残したが、これはどうしても気になる部分と言えるだろう。
そして実際、今季のローマは流れからの得点が他の上位クラブと比べて極端に少ない。データサイト『FBref』によると、ここまでのリーグ戦21試合で彼らが奪った流れからのゴールはわずか「28」。これは今季のセリエAで12位の数字となっており、なんと彼らは上位半分にもランクインできていないのだ。セットプレイでの得点がリーグトップタイの「7」ある一方で、これはなんとも寂しい数字と言えるだろう。こうしたデータを見ても、ローマがきっちりとブロックを敷いてきた相手を崩す術をあまり持ち合わせていないことは窺える。

セットプレイは強くても、ボール保持時の振る舞いに難を抱えるローマ。はたして、モウリーニョ監督はこの問題を解決することができるのか。これを改善できなければ、上位進出への道は相当に険しいはずだ。

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