アビスパの最後方に君臨する“頼れる守護神” 抜群の安定感を誇る村上昌謙

今季安定感あるパフォーマンスを披露し続けている村上 photo/Getty Images

柏戦でも危なげないパフォーマンス

20日に行われた明治安田生命J1リーグ第36節の柏レイソル対アビスパ福岡。互いに堅い守備を売りとするチームの対戦は、0-0のスコアレスドローに終わっている。

一見すると、少し味気ない試合。だが、得点が生まれなかったからといって、この柏vs福岡は決して内容の薄いゲームだったわけでもないだろう。むしろ、お互いのチームが良さを前面に出したからこそ、この試合はスコアレスのまま終了を迎えたと言っても過言ではない。両軍は“相手の良さを消す”集中した守備で最後まで相手にゴールを割らせなかった。この試合に関しては、そういった表現を用いるのが適切か。

そのなかでも、アビスパの守備を最後方から支えたGK村上昌謙のパフォーマンスには目を引くものがあったと言っていい。決して派手な選手ではないものの、彼は非常に安定感あるプレイでチームの最後方に君臨。柏にボールを握られる時間も多かったこの試合だが、村上の集中力は90分間を通してハイレベルだった。
特に印象的だったのは50分、柏が早いテンポで福岡のゴールに迫ったシーンだ。この場面では、柏のスピードにやや後手を踏んだアビスパ守備陣が、FWクリスティアーノにGKと1対1の場面を作られてしまう。決定機だったことは間違いない。しかし、その場面で立ちはだかったのが“守護神”村上だ。クリスティアーノが左足で強烈なシュートを放つも、このGKは落ち着いた対応でその一撃を好セーブ。あわや失点というピンチを、まるで何事もなかったかのように防いでみせた。

そんなファインセーブもあり、この柏戦で今季のクリーンシート数を“14回”にまで伸ばしてきた村上。開幕前には退団したセランテスの不在を心配する声もあったが、この守護神は2021年にそういった周囲の不安を一気に払拭したと言っていい。堅守・アビスパを支える頼れる男。これからも村上の安定感は、福岡に多くの完封試合をもたらすはずだ。

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