カンセロはSBに収まる男ではない 自由なスタイルから見る適正ポジションとは

サイドバックでは考えられない攻撃センスを持ち合わせている photo/Getty Images

サイドバックながらこの攻撃力だ

カラバオ杯ではウェストハムにPK戦の末敗れ、プレミアではクリスタル・パレス相手に黒星となったマンチェスター・シティ。どちらも難しい試合ではあったが、チャンスは作れており、今後は決定力の高さが必要となるか。

このように悪い流れを断ち切れないでいるマンCだが、ジョアン・カンセロが絶好調だ。ユヴェントスからカイル・ウォーカーの競争相手として加入したポルトガル代表DF。昨季は「カンセロ・ロール」を武器に一世を風靡したカンセロだが、右サイドバックではウォーカーの守備力に負け、左サイドバックではオレクサンドル・ジンチェンコの安定感を上回れず、ベンチを温める日々が続いていた。

今季はそのジンチェンコが怪我の影響からコンディションを崩し、主にカンセロが左SBを務めている。リヴァプール戦のように対人で弱さを露呈するシーンは確かに見られるが、攻撃センスは圧倒的であり、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラからの信頼を得ている。

そんなカンセロはパレス戦では左SBでスタートし、後半は右ウイングバックでプレイしていた。後半途中からベンチに下がった78分までの短い時間ではあったが、高精度のラストパスやボックス内への飛び出しなど、利き足である右サイドで高い位置を取る利点をすべて生かしたプレイを見せており、前線のポジションでも戦力になるのではと思えるパフォーマンスを披露している。スタッツでもチームトップとなるシュート数5回に加え、インターセプト3回と守備意識の高さも見せた。後方での判断ミスから評価を落とすことの多いカンセロだが、前線では逆にその積極性が生かされることも多く、サイドバックの戦力が充実すればウイングやインサイドハーフでの起用も悪くないか(データは『WhoScored.com』より)。

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