モウリーニョの“ナポリ対策”がズバリ リーグ4度目の無失点のローマが上位戦線をかき乱す

緻密な守備プランで、ナポリの中央突破を封じてみせたモウリーニョ監督 photo/Getty Images

ナポリのパスワークのキーマンを封じる

今夏に名将ジョゼ・モウリーニョを新監督に迎えたローマは、24日のセリエA第9節で首位ナポリと対戦。0-0の引き分けに持ち込み、開幕節から続いていたナポリのリーグ戦全勝記録を止めてみせた。

ファビアン・ルイスを中盤の底に、アンドレ・フランク・ザンボ・アンギサとピオトル・ジエリンスキをインサイドハーフに据えた[4-1-2-3]の布陣で臨んだナポリに対し、ローマはお馴染みの[4-2-3-1]の布陣で応戦。

ザンボ・アンギサとジエリンスキが自軍のセンターバックとサイドバックの間に入るなど、今季のナポリのビルドアップはインサイドハーフの流動的なポジショニングによって支えられているが、この試合ではモウリーニョ監督の策略によって封じられた。
同監督が選択したのは、ナポリの3人の中盤をマンツーマンディフェンスで捕捉すること。

ローマは相手ボール時に、トップ下のロレンツォ・ペッレグリーニがルイスを、2ボランチの一角ジョルダン・ヴェレトゥがザンボ・アンギサを、もうひとりのボランチ、ブライアン・クリスタンテがジエリンスキをそれぞれマンマーク。これにより、ナポリは思うように中央突破を繰り出せなかった。

この守備プランが威力を発揮したのが、ローマがカウンターを発動した27分の場面。

ここではクリスタンテが中盤でジエリンスキからボールを奪い、最前線のタミー・エイブラハムへ縦パスを供給。エイブラハムのシュートは惜しくも枠外に逸れたが、モウリーニョ監督の狙いが如実に表れた場面だった。

長身FWヴィクター・オシムヘンへのロングパスや、センターバックのカリドゥ・クリバリの攻め上がりには手を焼いたものの、試合全体を通じ、ローマの守備は大きく崩れず。ナポリの自陣後方からのパスワークをある程度封じたことが、勝ち点1奪取に繋がった。

今季のセリエA第9節終了時点で、失点をリーグ内で2番目に少ない“9”に抑えているローマ。無失点試合数もリーグ内で2番目に多い“4”と、モウリーニョ監督のもとでディフェンスの整備が進みつつある。

ヴェレトゥとクリスタンテを起点とする自陣後方からのパスワークと、エイブラハムへのロングパスを織り交ぜた多彩な攻撃を既に身につけているだけに、堅守も築きつつある現在4位のローマがセリエAの上位争いを盛り上げそうだ。

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