“鬼木マジック”がフロンターレの原動力に 劇的勝利のベルマーレ戦で光った修正とは

的確な采配で、フロンターレをリーグ戦4連勝に導いた鬼木監督(写真は6月9日のAC長野パルセイロ戦)photo/Getty Images

前半の問題点を解決

明治安田生命J1リーグの第30節が26日に行われ、首位の川崎フロンターレが湘南ベルマーレに2-1で勝利した。

フロンターレの鬼木達監督は、知念慶と小林悠を2トップに、谷口彰悟と脇坂泰斗を2ボランチに据えた[4-4-2]の布陣をこの試合で採用。

谷口と脇坂が、[3-1-4-2]の布陣を敷いてきたベルマーレの大橋祐紀と町野修斗の2トップ、及び茨田陽生と平岡大陽(32分に山田直輝と交代)の2インサイドハーフに捕捉されたことで、特に前半はフロンターレのパスワークが停滞。ボランチを2人にしたことで自陣後方に人が多くなり、敵陣ペナルティエリア手前の人数が足りなくなる場面や、2トップに対する脇坂のサポートが間に合っていない場面も散見された。

こうした問題を受けてか、鬼木監督は後半開始前に橘田健人、登里享平、マルシーニョの3選手を投入し、橘田をアンカーに据えた[4-1-2-3]に布陣を変更。左サイドバックから左インサイドハーフにポジションを移した旗手怜央と、ボランチから右インサイドハーフに上がった脇坂が小林、知念、マルシーニョの3トップをサポートするという構図が生まれ、攻撃の厚みが増した。

66分のフロンターレの同点ゴールは、敵陣左サイドでボールを受けた脇坂が右サイドバックの山根視来へサイドチェンジのパスを送り、ペナルティエリアへ侵入した旗手が山根のクロスに反応したことで生まれたもの。[5-3-2]の隊形で自陣へ撤退したベルマーレに対し、サイドチェンジのパスで3セントラルMFを揺さぶった脇坂の好プレイも然ることながら、同選手を一列前へ移し、攻撃に関与しやすくした鬼木監督の布陣変更が功を奏した場面だった。

後半アディショナルタイムには、途中出場のMF家長昭博のクロスに知念がヘディングで反応し、逆転ゴールをゲット。何とか勝ち点3をもぎ取ったフロンターレは、2位横浜F・マリノスとの勝ち点差を“9”に広げた。

負傷者の続出や今夏の田中碧と三笘薫の海外移籍により、チームの再編成を余儀なくされたフロンターレだが、複数の布陣を使い分け、自軍の不具合を試合中に修正する力が高い鬼木監督のもとで、リーグ戦4連勝を飾っている。

逆転勝利を収めた22日の鹿島アントラーズ戦でも、レアンドロ・ダミアンをワントップに据えた[4-2-3-1]から、知念と小林を2トップで並べる[4-4-2]に布陣を変更したことでターゲットマンが増え、フロンターレの猛攻に拍車がかかる形に。82分に投入されたDF山村和也が、直後のフリーキックから同点ゴールを挙げるというミラクルも起きた。

指揮官の采配が冴えわたっている今、フロンターレのJ1リーグと天皇杯の2冠達成への視界は良好と言って差し支えないだろう。

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