今後は侮れない存在に? イタリアを苦しめたオーストリアの実力

今後はオーストリアの躍進に注目したい photo/Getty Images

延長までもつれ込む大接戦に

彼らがここまでイタリアに食い下がると誰が予想しただろうか。

グループCを2位抜けし史上初の決勝トーナメントへ駒を進めたオーストリア。グループステージではオランダに完封負けを喫するも、ウクライナ、北マケドニアには勝っており、強さを見せていたが、彼らを称賛する声は少なかった。それでも、グループステージからその強さの片鱗は見せていたと言える。

確かにチームの顔と言える存在はダビド・アラバくらいだが、マルセル・ザビツァーやマルティン・ヒンタエッガーといったブンデスリーガでは名の知れた選手が複数在籍しており、小粒ではあるがタレントは豊富だ。また、一つのポジションに被ることなく、満遍なく選手がおり、レベルの高い組織的なサッカーを展開していた。

特に後方からの組み立ては前述したヒンタエッガーを筆頭にボランチのフロリアン・グリリッチュらがイタリアのプレスを苦にしておらず、縦に横に自由に繋げていた。また、前線のザビツァーやザヴェル・シュラーガーは敵陣での起点作りを難なくこなしており、ミドルサードでの出来も悪くはなかった。

しかし、最後の仕上げの部分に迫力がなく、1トップのマルコ・アルナウトビッチを生かしきれなかったのが一つの敗因か。ザビツァーもアラバも敵陣まで持ち上がれる選手ではあったが、チャンスメイクの部分で強さを出し切れなかった印象だ。それは数字にも表れており、データサイト『WhoScored.com』によればオーストリアの2列目の選手でキーパスを記録したのはザビツァーだけとなっている。それだけにセットプレイから点を取りたかったが、ジャンルイジ・ドンナルンマの壁は高かったようだ。

今回は残念な結果に終わってしまったが、実力はあるチームなだけに今後の活躍に期待したい。

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