ここまで蓄えてきた経験値は大事だが…… イングランドを指揮するサウスゲイトの起用法

ここまで悪くない出来だが、サウスゲイトは今後どのように指揮を執るのか photo/Getty Images

次節はチェコとの試合を控えている

EURO2020への前評判が高く、優勝候補の一角とまで言われていた今回のイングランド代表。確かに、フィル・フォーデンやメイソン・マウントといった若く結果を出している世代が多く選出されており、それに加え、ハリー・ケインやジョン・ストーンズといった中堅世代にも実力者を配置した隙の無いメンバー構成となっている。

大きな期待感を胸に迎えた初戦クロアチア戦。ラヒーム・スターリングのゴールを守り切り、勝ち点3を積み上げた。続く2戦目ではスコットランドと対戦し、90分で決着がつかず、スコアレスドローに。2戦で勝ち点は4と決勝トーナメント進出に大きく近づく結果となったが、前評判通りの勢いがあったかと聞かれれば少し返答に戸惑ってしまうだろう。

特に気になるのは起用法か。初戦のクロアチア戦では本職が右サイドバックであるキーラン・トリッピアーを左サイドバックで使うなど、少し変わった起用をするガレス・サウスゲイト代表監督。前述したトリッピアーについては、センターバックを務めたタイロン・ミングスの経験の無さを埋めるための起用だったという。確かにトリッピアーはイングランドとスペインで成功を収めた選手ではあるが、同ポジションには若手の頃から頭角を現し、現在はマンチェスター・ユナイテッドでプレミアナンバーワンの左サイドバックの呼び声を得たルーク・ショーが居た。

他にもラヒーム・スターリングへの期待感の大きさも、見ている側からすればやや考えにズレがあるように感じる。スターリングに関してはマンチェスター・シティで長くキャリアを築いており、シーズン20ゴールを達成した選手ではあるが、今季は不調のシーズンだったと言われている。ここ2試合でもゴールを決めたが、高いパフォーマンスは披露出来ていない。同ポジションを務めるジェイドン・サンチョを使って欲しいとの声も上がっているが、会見では今回招集した若い選手はEUROのような大きな大会は初めてで、そこを考えて経験のある選手と使うと発言している。

この二つのことから、サウスゲイト監督が経験を重視していることは分かるが、いま調子を上げているトップコンディションの選手を使ってみるのも面白いかも知れない。

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