“ロナウジーニョ2世”と言われた元バルサFWの現在地は 18歳で横浜FMにも得点したドリブラー

横浜FMとの親善試合でゴールを決めた photo/Getty Images

カンテラ出身のドス・サントス

今季はロナルド・クーマン監督の下で世代交代に踏み切ったバルセロナ。多くの若手選手がカンプ・ノウのピッチに立ち、将来を渇望されている。

ただすべての選手が活躍するとは限らないのが勝負の世界だ。彼らと同じように10代でカンテラからトップチームへ昇格し、“ロナウジーニョ2世”ともいわれたメキシコ人選手を覚えているだろうか。ジオバニ・ドス・サントスだ。

わずか17歳でトップチームのプレシーズンツアーに帯同。翌年は横浜F・マリノスとの親善試合でもゴールを決めるなど活躍し、2007-08シーズンに18歳の若さでリーガ・エスパニョーラデビューを飾る。最終節のレアル・ムルシア戦ではリーガ初ゴールを含むハットトリックの活躍を果たした。
独特なドリブルスキルとボールタッチを披露し、左足の高精度なキックから“ロナウジーニョ2世”とも謳われたドス・サントス。センセーショナルなデビューを果たした彼は2008年夏にトッテナムへ移籍するも、プレミアリーグのスタイルに合わず出場機会に恵まれなかった。その後はトルコやマジョルカなどを経て、2013-14シーズンにはビジャレアルで31試合11ゴールと活躍した。

その後はアメリカのロサンゼルス・ギャラクシーで4年間で通算77試合26ゴールを記録。現在は母国のメキシコの強豪クラブであるクラブ・アメリカで10番を背負っている。

大きな期待を一心に背負ったドス・サントスだが、バルセロナやトッテナムでは活躍することはできなかった。それでもレンタル移籍を繰り返し、ドリブルだけではなくゲームメイクやラストパスの精度を高めることで自身の価値を上げる。その結果、スペインでもビジャレアルでは活躍することができ、メジャーリーグ・サッカーではシーズン15ゴールを決めるなどチームに大きく貢献した。

若くして鮮烈なデビューを飾ってしまったがゆえにその期待の大きさに比べると、期待外れと言われてしまうプレイヤーも少なくないだろう。“ロナウジーニョ2世”といわれたドス・サントスも、ロナウジーニョほどの活躍ができたとは言えない。しかし地道に自らの特徴や武器を所属先で磨き上げ、サッカー選手としてレベルアップしていたドス・サントスは各国で活躍している。32歳となったドス・サントスが、欧州やアメリカでの経験を初挑戦となった母国・メキシコで発揮しているのだ。

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