オランダの復活を告げたEUROでの白星 デパイは得点関与なしもMOM級の活躍か

攻撃で違いを見せつけたデパイ photo/Getty Images

決勝トーナメント進出に大きく近づいた

直近の国際舞台では予選敗退と悔しい結果に終わっていたオランダ代表。今回のEURO2020には出場したものの主力であるファン・ダイクを欠いており、少しネガティブな印象がある。しかし、そんなものを吹き飛ばすかのようにグループリーグ初戦であるウクライナ戦は3-2の打ち合いを制して勝ち点3を獲得した。

この勝利により欧州選手権の勝利はオーストリアとスイスで開催されたEURO2008以来の白星となった。数字にして約13年ぶりの勝利とオランダとしては心に来るものがあるだろう。

そんな歓喜の瞬間を迎えたオランダ代表の中心人物としてウクライナ戦の勝利に貢献したのが、FWメンフィス・デパイだ。この試合ではゴールアシスト共に記録はしていないが、彼の重要性が見られた試合であった。

オランダが敷く[3-4-1-2]の2トップで先発となったデパイ。相方のFWボウト・ベグホルストはポストプレイヤータイプであり、中央に留まるため、デパイは前線で自由にポジションを取っていた。

まずデパイの目を引かれたのはスピードと動きのキレか。10番を背負っているデパイだが、ボールを持てば簡単に相手を剥がしてボックス内まで進入している。また、ボールを持っていないオフザボールの動きにも長けており、まさに攻撃の核といった働きであった。

データサイト『WhoScored.com』によればドリブルの成功数が4回、キーパスを3回記録しており、両方ともチーム上位に数字を残している。

ここで少し心配なのはデパイへの依存か。MFフレンキー・デ・ヨングやMFジョルジニオ・ワイナルドゥムらも攻撃に参加していたが、彼らは本来であれば一つ下のポジションでプレイしており、デパイが見せる強引な突破はない。

他のFW陣もデパイと比べると見劣りしてしまう戦力となっており、彼を欠いた場合も考える必要があるだろう。

オランダからイングランドに渡り挫折を経験したデパイだが、フランスのリヨンに渡って大きく成長したようだ。今夏の移籍市場ではバルセロナと合意間近とも言われており、現状の彼の能力であればスペインの強豪でも難なく出場機会を得るだろう。

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