2日目で浮き彫りとなったEURO開催の問題点とは 試合中に突然倒れたエリクセン

エリクセンに向けて全世界からメッセージが送られた photo/Getty Images

デンマークとフィンランドでエリクセンが救急搬送

UEFA EURO2020のグループBのデンマーク代表とフィンランド代表の一戦は、フィンランドが1-0で勝利した。デンマークのクリスティアン・エリクセンが意識を失い倒れてしまったことにより、試合は一時中断となった。

エリクセンは43分、スローインを受けようとすると突然ピッチに倒れこんだ。デンマーク代表のキャプテンであるシモン・ケアーを中心に各選手が駆け寄り、医療スタッフによって救命措置が行われた。エリクセンは現在、安定状態に達したと伝えられている。

今季のエリクセンは、インテルで公式戦34試合に出場。その後休む暇もなくEUROを戦うデンマーク代表に招集されており、国際親善試合も戦っている。EUROやFIFAワールドカップなど欧州サッカーでは、オフシーズンに国際大会が行われている。そのため、7月にEUROが閉幕すると新シーズン開幕までは1か月少々となり、チームは来季に向けて始動し始める時期だ。選手はあまり休息の時間がとれないまま、新シーズンを迎えることとなる。
隔年で行われていることだが、昨季から新型コロナウイルスの影響もあり、サッカーをプレイできない時期も続いた。そんなイレギュラーな状態から1年間を戦い抜いたエリクセンは、本来はオフの時期に大会を行うことで身体の限界を迎えていたのかもしれない。

英紙『Daily Mail』ではチェルシーなどに所属したボスニア・ヘルツェゴビナ代表GKアスミル・ベゴヴィッチがエリクセンを見て「選手の健康は長い間無視されてきた」と大会について言及。「多くのゲームを短い期間に行うことは、プレイヤーの健康問題につながってしまう」とオフシーズンでの国際大会について批判的な意見を口にした。

今季、EUROやオリンピックに挑む選手たちは、ほとんどオフを過ごさずに次のシーズンを迎えることとなる。新型コロナウイルスの影響によって環境も大きく変わっている。選手の健康面についてももう一度考えられるべきだろう。

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