[MIXゾーン]主力5名不在もこれが王者・川崎の“チーム力” 残された選手たちが胸に秘めた思い

小林の2点目のゴールをアシストし、勝利に貢献した長谷川 photo/スクリーンショット

『代表組がいないから勝てない』と言われないように

川崎フロンターレは2日、前倒しで行われた明治安田生命J1リーグ第21節で横浜FCと対戦。敵地での戦いに加えて、中止の可能性(横浜FCに新型コロナウイルスの陽性者が出たため)も浮上する難しい試合ではあったが、FW小林悠が前後半に1点ずつを奪い、2-0の勝利を収めた。この結果、開幕戦からの無敗記録を「21」まで伸ばし(17勝4分)、首位を独走している。

主将を務めるDF谷口彰悟(A代表)を筆頭に、DF山根視来(A代表)、MF田中碧(U-24代表)、MF三笘薫(U-24代表)、FW旗手怜央(U-24代表)が日本代表に招集され、主力5選手が不在だった川崎。後半の頭に押し込まれる時間帯もあったが、6割のボール支配率に16本のシュート、前半の被シュートを0本に抑えるなど、試合全体で見ると相手を終始圧倒していた。日ごろから高いレベルで切磋琢磨してきたフロンターレの選手層の厚さやそこで培われたチーム力、チームとしての真価をしっかりと発揮してみせたのではないか。

やはり横浜FC戦の川崎のメンバーに選ばれた選手たちにも、「こういった状況だからこそ絶対に負けられない」、「主力がいなかったから今季初黒星を喫したと言われたくない」といったこの試合に対する強い思いをはじめ、王者の一員であるプライドや意地があったに違いない。それはチーム走行距離を見てもわかる。今季ここまで川崎の1試合あたりのチーム平均走行距離は「114.669km」なのに対し、この試合では大幅に上回る「118.124km」を記録。これまで以上にハードワークしていたのだ。そして、選手たちの試合後のコメントからも、その思いを感じることができた。
「やっぱり全員が『代表組がいないから勝てない』と言われないように、心の底では思っていたと思いますし、苦しい時間もありましたけど、こうやって勝ち切ることができて、チームとしての層の厚さみたいなのを見せることができたんじゃないかな思います(長谷川竜也)」

「『ここでフロンターレの強さを示さないといけない』と、みんなが思っていたと思います。初めて出る選手もいましたし、そういった選手のためにもじゃないですけど、本当にチームとしての価値が問われるゲームでした。勝ち切れてホッとしています(脇坂泰斗)」

また、鬼木達監督も横浜FC戦をしっかりと戦い抜いた選手たちを評価しつつ、賛辞を贈っている。

「入りのところから積極的に仕掛けてくれたことは良かったと思います。なかなか中2日で準備する期間もない中で、多くの選手が代わる中でもしっかり結果を残してくれたこと、新しく入った選手もそうですし、ベテラン選手たち全員がしっかりと力を注いでくれたことをすごく嬉しく思いました。良いゲームをしてくれたと思っています」

「まず全員が勝つために何をするかということを、しっかりわかった上でやってくれたと思います。今シーズンに入団してから初のゲームになった(イサカ・)ゼインにしても、本当に自分のもっているものをしっかりと出して、チームとしてやるべきことをやってくれました。また、そういうところにいろんな選手がサポートしてくれました。出場時間の短い選手たちも、自分たちらしさというものを出してくれたと思います。当然、これからも結果を出してほしいです。細かい部分ではまだまだ成長させなきゃいけないといけない部分はありますけど、中2日の準備期間のない中で、すごく気持ちの入った良いゲームをしてくれたと思っています」

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