イングランドを導くは“2人”のブンデス勢? ドイツで伸びた底知れぬ才能

ドルトムントで逞しく成長したサンチョ photo/Getty Images

スリーライオンズ躍進のカギを握る存在か

いよいよ開幕が目前に迫ったEURO2020に臨むイングランド代表。今大会ではフランス代表やポルトガル代表といったチームが優勝候補筆頭とされるが、彼らもそれに次ぐ期待を背負っていることは間違いない。ロシアW杯で3位に入った中堅組と近年台頭する優秀な若手組。彼らがうまく融合すれば、今回のEUROで最高の成果を挙げることも決して不可能ではないだろう。

では、そんなイングランド代表がEUROを戦うにあたって、キーマンとなってくる選手は誰か。意見はさまざまだろうが、今回注目したいのはドイツ・ブンデスリーガでプレイする2人だ。

1人目はFWジェイドン・サンチョ(21)。2017年夏にマンチェスター・シティからドルトムントへと向かった同選手は、2018-19シーズンにブンデスリーガで12ゴール18アシストを記録する活躍で大ブレイク。今季は8ゴール12アシストと少し成績が落ち着いてしまった印象もあるが、それでもイングランド攻撃陣で最も影響力がある選手の1人であることに変わりはない。
味方のゴールをお膳立てすることもできれば、自ら持ち込んでフィニッシュもできる。絶対的エースであるFWハリー・ケインの負担を軽減する存在として、彼には大きな期待をかけることができるだろう。スリーライオンズの攻撃はサンチョ次第。そんな言い方をしても、決して大袈裟ではないはずだ。

ドルトムントで充実した1年目を過ごし、予備メンバー入りを果たしたベリンガム(右) photo/Getty Images

17歳の新鋭MFにも期待がかかる

そして、2人目も同じドルトムントから。MFジュード・ベリンガム(17)だ。今季まだティーンエイジャーながら、所属クラブの中盤で主力の一角を担った同選手。タックル成功数49回、インターセプト数24回、地上戦勝利数129回といった数字は、いずれも今季ドルトムントでプレイしたMF中トップ(スタッツはデータサイト『SofaScore』より)。攻撃面でも随所にインテリジェンスを感じさせるプレイを披露した。

イングランド代表の中盤はハイレベルだが、ジョーダン・ヘンダーソンやジャック・グリーリッシュのコンディション面には一抹の不安が残る現状。ゆえに、そういった部分をカバーする役としてベリンガムにかかる期待は大きいと言える。

「人々はフォーデン、グリーリッシュ、マウントについてよく話しているが、私はジェイドン・サンチョも彼らに負けないくらい重要な存在だと思うよ。彼がそれほど話題にならないのは、イングランドでプレイしていないこともあるんだろう。だが、彼も素晴らしい選手であることは間違いない。EUROでは人々が考えているよりも遥かに優れたプレイを見せてくれると思うよ」

「ジュード・ベリンガムにも注目したい。彼は実力が十分ならば、年齢は関係ないということを証明する良い例だ。シティとの試合では両足で巧みにボールを扱い、そのクオリティを示した。彼もまた、今大会ではスリーライオンズの大きな助けとなるはずだ」(英『BBC』より)

元イングランド代表FWガリー・リネカー氏も、ブンデスでプレイする2人の若き有望株にはこのように期待を寄せている。多くの選手とプレイするリーグこそ違えど、ドイツで確かな実績を残している両選手。はたして、サンチョとベリンガムはナショナルチームの大舞台でも、その実力を遺憾なく発揮することができるのか。EUROでは2人のブンデス勢がイングランド代表を導く姿を見てみたい。

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