夢のある話なのは間違いないが…… ローマにアザール獲得の余裕はない

レアルでは苦しい時間を過ごすこととなっているアザール photo/Getty Images

移籍の噂が浮上するも

レアル・マドリードで燻るベルギー代表FWエデン・アザール。2019年夏に1億ユーロ以上とも言われる移籍金でスペインに降り立った彼だが、加入以降の2シーズンで輝きを放つことはできていない。度重なる怪我の影響もあってその稼働率は著しく低く、近頃は“レアル史上最悪の補強”という声も各方面から聞こえてくる状況だ。

そんなアザールに、今夏セリエA行きの可能性が浮上している。伊『calciomercato』によると、来季から恩師ジョゼ・モウリーニョ監督が指揮を執るASローマが彼の獲得に興味を抱いているという。同クラブはレンタルでの獲得を目指しており、年俸400万ユーロ(約5億3000万円)を用意する構えとのこと。レアルを夏に退団する意向を持っているとされるアザールだけに、これが真実ならば願ってもない話だろう。

しかし、本当に今のローマにアザールを獲得できる余裕があるのか。今季セリエAを7位でフィニッシュすることとなったジャッロロッシ。昨夏に新オーナーが就任して経営陣が一新されたとはいえ、財政は苦しいはず。伊『Sky Sport』によると、現在はチーム最高年俸の750万ユーロを受け取っているとされるボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWエディン・ジェコの売却を急いでいるようだが、それでも余裕はないだろう。ほかにも補強したいポジションは多く、ジェコの売却で浮く資金はそういったウィークポイントの強化に充てたいはずだ。
夢がある話なのは間違いない。しかし、レアルでここまで稼働率の低いアザールを獲得しにいくリスクが高いのも事実だ。もちろん、環境を変えることでアザールが復調する可能性もあるが、再建初年度となるシーズンはそういったギャンブルをする時期でもないだろう。まずは今季58失点を喫した守備陣のテコ入れが最優先。アザール加入となればローマの街が賑わうのは間違いないが、あまり現実的な選択肢ではないかもしれない。

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