希望に満ちたバイエルン移籍だったはずが “ノイアー2世”と期待された男の苦悩

今季バイエルンでの公式戦出場は4試合にとどまったニューベル photo/Getty Images

本人はレンタル移籍をリクエストか

昨夏、大きな期待を背負ってドイツの絶対王者に移籍した若き守護神だが、その最初のシーズンは周囲の予想よりも厳しい時間を送ることとなってしまった。その守護神とは、2020年夏にシャルケからバイエルン・ミュンヘンに加入したアレクサンダー・ニューベル(24)だ。

その経歴から“マヌエル・ノイアー2世”とも期待されていたニューベル。本家が30代半ばを迎えていることもあって、バイエルンは次世代の正守護神を早めに確保した格好だった。今季はノイアーと併用しながらチームに馴染ませていく。獲得当初はクラブもそんなプランを持っていたはずだ。

しかし、結果的にニューベルが今季出場した公式戦はわずか4試合。まさかここまで彼の出場機会が少ないとは、多くの人が予想していなかったことだろう。まだ加入1年目のシーズンを終えたばかりではあるが、ニューベルのバイエルンにおける将来には暗雲が立ち込めている。来季はユリアン・ナーゲルスマン監督が指揮を執ることとなるが、ノイアーのパフォーマンスが著しく低下しない限りは似たような状況が続く可能性も低くはないか。
そんな事情もあるだけに、ニューベルは一度バイエルンを離れる決断をしたと独『Spox』が伝えている。同メディアによると、現状に不満を持っている彼は出場機会を求めてクラブにレンタル移籍のリクエストを出したとのこと。だが、昨今のコロナ禍により余計な出費を抑えたいバイエルンは、新たなGKを獲得しなければならないことを嫌って、これを却下する方針だという。昨夏に笑顔で握手を交わした両者だが、最初の1シーズンを終えた時点でその関係は悪化しつつあるようだ。

だが、ニューベルがレンタル移籍をリクエストした気持ちも理解できる。理由はその契約だ。独『Sport Bild』によると、同選手が昨夏バイエルンと結んだ契約条項の中には、最低10試合数の出場保証が盛り込まれていたという。その約束を反故にされたとあっては、ニューベルが不安を抱くのも無理のないことだ。24歳はまだ伸び盛りの時期。時間を無駄にはできないという思いもあるだろう。

そんな、現時点においてバイエルンで難しい立場にあるニューベル。はたして、来季彼はどこでプレイすることとなるのか。ドイツの絶対王者で燻る24歳GKの未来はいかに。

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