プレミア6得点でも来季の爆発に期待せよ “惜しい男”ヴェルナーに見える可能性

今季は得点数よりもアシスト数の方が目立ったヴェルナーだが…… photo/Getty Images

来季こそ“点取り屋”としてゴール量産なるか

2020年夏、大きな期待を受けてドイツからイングランドへやって来たものの、現時点でその能力をなかなか発揮しきれていない選手がいる。RBライプツィヒから4750万ポンド(約64億円)にものぼるとされる移籍金で、今季からチェルシーに加入したドイツ代表FWティモ・ヴェルナーだ。

鳴り物入りでのブルーズ移籍だったことは間違いない。しかし、ヴェルナーの移籍初年度は少し評価が難しくなっている。今季はリーグ戦34試合の出場で6ゴール12アシスト。アシストの多さが示すようにチームの戦力としては大いに機能したのだが、得点数の部分ではやはり物足りなさが目立つ結果に。チームに貢献はしたのだが、当初期待されていたのとは少し違う形でということになっている。

そんなこともあって、一部からはヴェルナーに批判の声も。「チャンスメイカーとしては優秀だが、ストライカーとして機能しない彼に4750万ポンドは高すぎたのではないか」(英『DAILY STAR』)なんて声も現地では散見される。たしかに、こうした意見を持つ人々の気持ちがわからないわけでもない。
しかし、ヴェルナーに痺れを切らすのはまだ早いか。今季こそ期待していたよりもおとなしい得点数となった同選手だが、来季はスコアラーとして一気にプレミアに適合する可能性もある。データサイト『SofaScore』によると、今季ヴェルナーが記録したビッグチャンス逸の数字はリーグで4番目に多い18回。一見ネガティブな数字のようにも思えるが、これは裏を返せば“いるべきところにいる”という証。加えて、ポストに嫌われたシュート数もまた、彼はリーグで4番目に多い5本を記録している。ゴールがオフサイドディレイで取り消しになる場面も多い印象で、今季のヴェルナーは何かが違えれば得点を量産していた可能性も秘めていたと言っていいだろう。

「トゥヘルは素晴らしい監督だし、過去にも何人かの選手のフォームを回復させた実績を持っている。ティモも自分の得意とするゾーンに入り込むことさえできれば、最高のパフォーマンスを発揮できる選手だ。そう遠くないうちに、チェルシーにもフィットすることができると私は確信しているよ。どんなストライカーにだってそういう時期はあるものだ。それに、ライプツィヒ時代にも彼がなかなか得点できなかった時期はあるよ。周りから見れば浮き沈みの激しいシーズンだったように見えるかもしれないけれど、これは成長のためのただのステップさ。私はそうだと思っている」(英『Telegraph』より)

RBライプツィヒ時代にヴェルナーを指導したユリアン・ナーゲルスマン監督も、教え子に関してはこのような見解を示している。6得点という結果ばかりに注目が集まりがちなヴェルナーではあるものの、来季フィニッシャーとして真価を発揮する可能性は大いにある。得点数だけで悲観することなかれ。まだドイツ産のストライカーに爆発の余地は残されているはずだ。

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