[名良橋晃]ルヴァン杯で光り輝く 原石8名を紹介します!

田中隼人(柏)に気負いなし 平岡大陽(湘南)は自信を得たか

田中隼人(柏)に気負いなし 平岡大陽(湘南)は自信を得たか

リカルド・ロドリゲス監督のもと、工藤は確実に経験を積んでいる photo/Getty Images

 みなさん、ルヴァン杯はご覧になっていますか? 私はJ SPORTSで放送中の「foot!」でユース年代の番組に出演させてもらっていることもあり、高校生年代を追いかけています。ルヴァン杯では多くの若手にチャンスが与えられ、随所に活躍がみられました。

 若い選手はピッチのなかでいろいろなことを感じながらプレイしています。できたこと、できなかったことを模索しながら、葛藤しながら必死に戦っています。そんな彼らはキラキラしていて、なんだかみているとこちらまで前向きになれます。

 ルヴァン杯ではサポーターのみなさんでさえ名前を知らないそんな“原石”たちがプレイしています。ぜひ、そうした選手たちがどんなプレイをするのか注目してみてください。きっと、刺激を得られると思います。すでにグループステージ大詰めを迎えていますが、私には気になった選手がたくさんいます。今回は2種登録の選手と高卒ルーキーに絞って8名を紹介したいと思います。

 田中隼人(17歳/柏)はグループステージ第3節湘南戦にフル出場し、その後の2試合にも先発しています。最終ラインの真ん中でプレイする選手ですが、気負うことなく安定感あるパフォーマンスをみせています。同ポジションで柏から世界に羽ばたいた中山雄太を彷彿とさせ、足元の技術力が高くてしっかりとボールをさばけるし、高さもあります。

 同じCBでは工藤孝太(17歳/浦和)もいいですね。今シーズンから浦和を指揮するリカルド・ロドリゲス監督が進める「後ろから組み立てる」というスタイルにピタリとはまる選手で、グループステージ第3節横浜FC戦にフル出場し、臆することなくプレイして勝利に貢献しています。この一戦にリカルド・ロドリゲス監督は工藤孝太&岩波拓也というCBで臨みました。青森山田高校出身の藤原優大(18歳)と槙野智章というコンビで戦った試合もあります。「若手+経験者」の組み合わせで育てていこうという監督の狙いを感じます。藤原優大、鈴木彩艶、福島竜弥など浦和には良い若手が多いですが、彼らはすでに名前を知られた選手たちなので、ここでは工藤孝太を推したいと思います。

 福井太智(16歳/鳥栖)は左利きで技術力が高く、ボランチ、インサイドハーフなど中盤の複数のポジションでプレイできます。とにかくセンスがあって、いろいろできる起用な選手であるとともに、しっかりと戦えます。この福井太智だけでなく、今シーズンにトップ昇格した相良竜之介、兒玉澪王斗など鳥栖には将来が楽しみな選手が多いです。

 履正社高校出身の平岡大陽(湘南/18歳)はグループステージ第2節浦和戦に起用されると、ルヴァン杯で出場を続けて第5節横浜FC戦で初得点を記録しました。[3-1-4-2]の中盤右サイドでプレイし、攻守にアグレッシブでボールを奪えるし、しっかりと走れる選手です。ゴールを決めたことが自信となり、これからどんどん台頭してくるのではないかと感じています。

期待しかない舩橋佑(鹿島) エレガントな櫻井辰徳(神戸)

期待しかない舩橋佑(鹿島) エレガントな櫻井辰徳(神戸)

櫻井は質の高い仲間と競争することで成長している photo/Getty Images

 GK佐々木雅士(19歳/柏)はチーム内にキム・スンギュという強烈な競争相手がいますが、数年後にはレギュラーポジションを獲得しているのではないでしょうか。それだけの実力を待つGKです。同じ柏のアカデミー出身で、いまはポルティモネンセでプレイする中村航輔をみて育った選手で、アンダー世代代表の常連です。 守備範囲が広く、両足の精度が高い佐々木雅士はグループステージ第2節浦和戦から第5節浦和戦までの4試合でゴールマウスを守りました。まだリーグ戦での出場はありませんが、チャンスは必ずきます。キム・スンギュに追いつけ、追い越せでスケールの大きなGKになってほしいです。

 舩橋佑(18歳/鹿島)はすでにプレイオフステージ進出を決めた鹿島のなかで、ルヴァン杯に出場するとともにリーグ戦でもプレイしています。キックの精度が高く、攻撃面で良さをみせています。トップ昇格1年目であり、昨シーズンまでアカデミーで小笠原満男(テクニカルアドバイザー)さんから厳しい指導を受けていました。将来は満男さんのように、鹿島を背負って立つ選手になるかもしれません。舩橋佑には期待しかしていないです。

 櫻井辰徳(18歳/神戸)はグループステージ第1節大分戦から第5節FC東京戦まで先発を続けています。ボランチでプレイするエレガントな選手で、正確なボールさばきで攻撃を組み立てることができます。チームには山口蛍、セルジ・サンペールという際立った能力を持つボランチがいて、両名の牙城を崩すのは大変です。

 ただ、間違いなく器用な選手です。あとは守備でハードワークをこなし、山口蛍のような前への推進力、前線への飛び出しを身につけてより相手に怖さを与える選手になってほしいです。2年後、3年後にはチームの中心になっているかもしれません。それだけのポテンシャルを持っている選手です。 最後に紹介するのは、樺山諒乃介(18歳/横浜FM)です。キレ味鋭いドリブルが魅力で、高卒ルーキーながらJリーグ第1節川崎戦に先発し、個性を発揮してチャンスを作り出した場面がありました。横浜FMの前線は選手層が厚く、リーグ戦ではあまりプレイできていませんが、ルヴァン杯ではグループステージ第5節まで全試合に出場しています。そして、第4節仙台戦では初ゴールも記録しています。

 樺山諒乃介はうまいだけではなく、強さもあります。加えて両足を使えるため、他選手にない独特のリズムがあります。自分で積極的にフィニッシュする強いメンタルがあるし、シュートもうまい。ポテンシャル十分な選手という印象です。今シーズン、興国高校からは樺山諒乃介も含めて5名がJリーグ入りしています。こうした若手が切磋琢磨することで、日本のサッカー界がどんどん盛り上がるのだと思います。

 今回は8名を紹介しましたが、まだまだ気になる若い選手が大勢います。とくにルヴァン杯では未来に光り輝く原石たちが数多くプレイしています。5月19日にグループステージ第6節が行われ、6月にはプレイオフステージが開催されます。コロナ禍で制限がありますが、まだ知らない選手に絞って観戦するのもいいのではないでしょうか。

構成/飯塚 健司

※電子マガジンtheWORLD257号、5月15日配信の記事より転載

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