元アトレティコ“ナンバー10”の現在地 スペインでの再スタートはまずまずの好発進

再びスペインでプレイしているオリベル・トーレス photo/Getty Images

セビージャで出場機会を得ているトーレス

今季のリーガ・エスパニョーラはアトレティコ・マドリード、レアル・マドリード、バルセロナのいわゆる3強に加え、セビージャを含めた4チームで優勝を争っている。そんなセビージャで徐々に出場機会を増やしているのは今年で26歳のオリベル・トーレスだ。

アトレティコユース出身のトーレスはビジャレアルやポルトといったクラブで武者修行し、2015-16シーズンにアトレティコに復帰。空き番となっていた背番号10を与えられるなど、クラブからの期待も大きかった。しかし、ハードワークを信条とするチームのプレイスタイルに適応できず、再びポルトに移籍。2019年にセビージャで完全移籍での加入となった。

セビージャに加入して2年目の今季はここまで38試合に出場している。途中出場が大半を占めるが、指揮官であるフレン・ロペテギからの信頼はまずまずといったところだろう。

12日に行われたバレンシア戦では左のインサイドハーフとして先発を果たした。短いパスでリズムを作り、ロングパスで局面を打開する高いパス精度を武器にしたパサーというのが今のイメージだ。一瞬の加速で抜き去るドリブルも兼ね備えており、戦える武器はいくつもあるが、一つ一つのプレイで無難な選択をしているように見えるのが残念なところか。また、インサイドハーフではあるが、裏への抜け出しも乏しく、相手からすれば怖くはないのかも知れない。

それでも、守備では積極的なプレスや走りの部分でチームでも見劣りしないレベルであり、アトレティコ時代に指摘されたハードワークに関しては多少改善されているだろう。データサイト『WhoScored.com』によればタックル成功数が3回とチームトップの数字を記録しており、ネガティブトランジションは早いと言える。

26歳とまだまだこれからの年齢。一段階レベルアップしたトーレスの活躍に期待したい。

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