ビッグクラブの差別化に未来はあるのか 様々な思惑が入り乱れる欧州スーパーリーグ構想

来季のCLにも注目が集まる photo/Getty Images

ペレス会長が大会チェアマンに

欧州スーパーリーグ構想がサッカー界で様々な物議を醸している。ヨーロッパの上位クラブが新型コロナウイルスなどの影響で財政面で打撃を受けたことにより、回復を図るために推し進められたこの構想。サッカー界の歴史を変えるひとつとなりそうだが、今後はどうなっていくのだろうか。

欧州スーパーリーグは、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長がけん引し、欧州の12クラブがUEFAチャンピオンズリーグに異なる新たな大会として構想。国内リーグを戦いながら、欧州の新たな大会として創設を試みている。すでに欧州の12クラブは大会の創設に合意しており、ペレス会長はレアルの公式HPで発表している。

合意しているのはレアルの他にバルセロナ、アトレティコ・マドリード、チェルシー、アーセナル、リヴァプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、インテル、ミラン、ユヴェントスの12クラブ。大会が開催された時は、この12クラブでスタートとなる。またドイツやフランスなどのクラブは合意に至っていない。翌年以降はさらに3クラブが追加される予定で、その後は予選を経て5クラブを追加し、最終的に計20クラブでの開催が想定されている。

この構想について当然UEFAは断固反対の声明を上げている。欧州スーパーリーグに参加するクラブは、UEFA主催大会からの追放を考えており、所属クラブの選手は代表戦を含めて出場できないということも同時に発表している。イングランドフットボール協会を含めた各国のサッカー協会や連盟も反対の意を示しており、本来は参加予定の国内リーグからの追放も考えている様子だ。

様々な物議を醸している欧州スーパーリーグだが、未来はあるのだろうか。今大会の創設により、ビッグクラブだけが悪しく独り立ちしてしまい、今後のサッカー界の発展が乏しくなるだけではないか。また万が一、正式に欧州スーパーリーグが開催となり国内リーグやUEFA主催大会へ出られなかったとしたら、選手たちはどのような選択をするのだろうか。スーパーリーグに魅力を感じたり、所属クラブへ忠誠心がある選手は残るかもしれない。しかし代償が大きすぎるため、国内リーグへの移籍も増えるかもしれない。

イギリス紙『independent』によると近年、プレミアリーグのレスターなどが台頭してきているが、それについてよく思っていない国内のビッグクラブは多いという。ただスーパーリーグの参加クラブが国内リーグへ参加できるかどうかで、選手の思惑も変わってくる。UEFA主催大会や国内リーグを優先したい選手は逆にスーパーリーグに参加しないクラブに需要が高まる可能性もあるだろう。ペレス会長はすでに大会の開催を正式に発表しており、FIFAやUEFAと日程調整を行っていく段階だというが、早く決定しなければ選手の選択する時間も少なくなってしまう。

まさに昔サッカーゲームでやったような憧れのリーグ構想だが、本当に開催するとなると多くの思惑が入り乱れる。サッカー界の歴史を変える今回の欧州スーパーリーグ。ただ、クラブの財政や状況ももちろん大事ではあるが、目先の収益だけではなく未来に向けて有意義なものであってほしい。そして主役となる選手たちへの影響も、もう少し考えられるべきではないか。

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