新興勢力からバイエルンの対抗馬筆頭に 王者を脅かす伸び代抜群の若手軍団

2020-21シーズンここまでブンデスで2位につけているライプツィヒ photo/Getty Images

今季の優勝こそ厳しいかもしれないが……

これまでは長きにわたって、ブンデスリーガにおける絶対王者バイエルン・ミュンヘンの対抗馬筆頭はドルトムントだった。しかし、同クラブは今季不調に喘ぎ、第28節終了時点で来季チャンピオンズリーグ出場圏外の5位にまでその順位を落としてしまっている。そんななかで、着々とバイエルンとの差を詰めているのはRBライプツィヒだ。

第27節の首位攻防戦でバイエルンに敗れてしまったこともあり、今季の優勝こそ厳しくなってしまった印象もあるライプツィヒ。しかし、それでも現時点での勝ち点差は「5」。たとえ今季のリーグ制覇は不可能でも、来季以降に向けて彼らの2020-21シーズンはポジティブなものになっていると言っていいだろう。現地では低迷するドルトムントに代わって、ライプツィヒがバイエルンの牙城を崩す筆頭候補になったとの見方も強くなっている。

来季もこの調子を継続できるようであれば、ライプツィヒのブンデス初制覇も決して夢物語ではないだろう。2009年に発足したばかりの同クラブではあるが、その実力は今や誰もが認めるところだ。
「もちろん、僕たちの目標はタイトルを勝ち取ること。そのために僕らは必死にトレーニングをしているんだ。ここ数年でライプツィヒは本当に素晴らしいスピードで発展を遂げることができている。最初の一歩から何年も経っていないというのにね。そろそろ歴史的な快挙を達成したいところだ。僕自身も状態は上がっているから、準備は万端だよ。優秀な若い選手もどんどん加入しているし、来季こそはクラブとして未知の領域に突入できるんじゃないかな」(独『Sport 1』より)

昨季までは主将を務めるなど、チームの中心的存在であるハンガリー代表DFヴィリ・オルバン(28)も、そろそろライプツィヒにはタイトルが欲しいとこのように語る。「自分たちはリーグタイトルを掴めるだけの実力を備えている」。そんな自信は、選手たちにもみなぎっているようだ。

たしかに、ライプツィヒがリーグタイトルを獲得するには来季がひとつ勝負となってくるか。まだ若いながらも欧州屈指の戦術家として知られるユリアン・ナーゲルスマン監督の下に、世界各国から優秀な若手選手が揃っている同クラブ。今冬にはザルツブルクからMFドミニク・ショボスライを獲得したことも記憶に新しい。そうした規格外のヤングタレントと、これまでチームを力強く牽引してきた経験豊富な選手が融合するのは今から楽しみだ。

近年メキメキと力をつけ、ついにバイエルンの連覇を阻止することに期待がかかるレベルまで辿り着いたライプツィヒ。はたして、2021-22シーズンの同クラブはどのような戦いぶりを披露してくれるのか。絶対王者の9連覇こそ止めることは難しいかもしれないが、区切りの10連覇は彼らが阻止することとなるかもしれない。

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