停滞のシーズンとは言わせない 成績だけでは見えぬマンU“19歳”の成長

ブライトン戦で決勝点を挙げたグリーンウッド photo/Getty Images

今季はまだ6得点も

シーズン19得点を挙げて一躍ブレイクを果たした昨季とは打って変わって、今季はなかなか思うような結果を残すことができていなかったマンチェスター・ユナイテッドのFWメイソン・グリーンウッド(19)。しかし、ここにきて彼はもう一段階大きな成長を遂げることとなるのだろうか。19歳の若者に覚醒の予感が漂ってきた。

今季は開幕からなかなか調子が上がらず、ここまで公式戦40試合に出場しながら未だにゴール数は「6」という数字にとどまっているグリーンウッド。「ゴールデンボーイは一発屋だったのか」(英『The Sun』)、「ラヴェル・モリソンになりつつある」(英『Daily Mirror』)。シーズン中にはこのように彼のことを評する現地メディアも少なくなく、彼の存在感は徐々に希薄なものとなりつつあった。

しかし、やはりこの男のポテンシャルは高い。改めてそう感じることができたのは、現地時間4日に行われたプレミアリーグ第30節のブライトン戦だ。この一戦に先発出場したグリーンウッドは、試合を通して優れたパフォーマンスを披露。特に光っていたのはオフ・ザ・ボールの部分で、攻撃時は常に相手DFの視界から消える動きを怠らなかった。その意識が実り、83分には相手ゴール前に生じたエアポケットのようなスペースに入り込み決勝点をゲット。実にストライカーらしいゴールでチームを勝利(2-1)に導いている。
今季こそ思うような結果を残すことはできていないが、このパフォーマンスを継続できればグリーンウッドがワールドクラスとなる日もそう遠くはないか。もとよりクオリティの高い左右両足に、このブライトン戦でゴールを決めたヘディングの精度も上がってくれば、近い将来”“NEXTロビン・ファン・ペルシー”となるのも夢ではないはずだ。

「メイソンはピッチ上で常に最善を尽くしてくれているよ。得点の部分もそうだけど、彼はとにかく多くの仕事をこなしている。前線からのプレスだったり、チームが求めている守備、アシスト、危険なゾーンへの侵入……。重要な仕事を数多くこなしてくれている。今季は得点数が少ないと言われているけれど、それは重要なことじゃない。もちろん、すべてのストライカーはゴールを望んでいるだろうけどね。でも、これを継続できればメイソンにはおのずと結果もついてくると思うよ」(『MUTV』より)

チームの中盤を司るMFブルーノ・フェルナンデスも、グリーンウッドに関してはこのように高い評価を与えている。ピッチ上で多くの仕事をこなしていれば、必ず得点のチャンスも増える。先輩MFはそのように考えているようだ。

数字だけを見れば少し停滞のシーズンとなってしまったようにも思えるグリーンウッドの今季だが、この19歳はそれでも着実にストライカーとして成長を続けていると言えるか。マンUの未来を担うヤングタレントが再び最高の成績を収めるときは、そう遠くなさそうだ。

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