“17歳”がもはやベテランの雰囲気 ハーランドだけでないドルトムントの若き才能

まだ17歳ながらドルトムントの中盤で主力に定着しているベリンガム photo/Getty Images

落ち着きぶりは10代のそれではない

現地時間9日に行われたチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグでセビージャと引き分け(2-2)、2戦合計5-4でベスト8に駒を進めることとなったドルトムント。その立役者は、間違いなくこの2試合で4得点の大活躍を披露したFWアーリング・ハーランド(20)だった。

とはいえ、中盤で着実に任務を遂行していた“17歳”の新鋭MFの活躍も見逃せない。ハーランドの脅威的な得点力の影に隠れることとなってしまったが、MFジュード・ベリンガムもこのベスト8進出には決して欠かせぬピースとなっていた。

まだ17歳の選手が、欧州最高峰の舞台で出場機会を得ていることに驚いた人も少なくなかったことだろう。しかし、この2ndレグでベリンガムが披露したプレイは、そんな人々をさらに驚かせることに。同選手は高い技術とインテンシティを存分に発揮するだけでなく、その場面場面でのプレイ選択もほとんど間違えることなく90分間を戦い抜いた。チームが置かれている状況や自身に求められていることを理解していることが窺えるプレイぶりは、すでに何年もトップレベルで出場を重ねている選手のようだったと言っていい。
その優秀さはスタッツにも表れている。この試合にフル出場したベリンガムはタックル数(6回)やデュエル勝利数(15回)、ボールリカバリー数(8回)でチームトップの数字を記録するなど、とにかく攻守にわたって奮闘。加入当初はその年齢からしばらく下部組織でプレイする可能性も現地メディアによって伝えられたが、この17歳は規格外のポテンシャルを存分に活かし、誰もが夢見るCLの舞台で最高級の輝きを放ってみせた。今季はすでにブンデスリーガでも20試合に出場しており、もはやドルトムントの主力として確固たる地位を築いていると言っていいだろう。

「ベリンガムは将来、パトリック・ヴィエラのようになれると思っている。まだとても若い選手だが、彼のプレイは人々を惹きつける。ドルトムントには近年その価値を急激に上昇させている若手が多いけれど、そのなかでもベリンガムはひときわ輝いている」

先日は元ドイツ代表GKイェンス・レーマン氏も英『Daily Mail』でこのように語っていたが、ベリンガムがヴィエラのような“パーフェクトMF”となる日もそう遠くはないのか。ポテンシャルの高さだけでなく、大舞台でも決して動揺することなく淡々と任務をこなす17歳。ハーランドの影に隠れてしまっている節もあるが、ドルトムントの中盤には規格外のティーンエイジャーがいる。

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