アタッカーとしての未来にも好影響? チェルシーの20歳は今こそ成長のとき

トゥヘル監督就任以降、WBとしての出場が増えているハドソン・オドイ photo/Getty Images

WBでの経験は将来に活かせるはず

2020-21シーズン途中、フランク・ランパード前監督からトーマス・トゥヘル監督に指揮官を交代したチェルシー。新監督就任後のリーグ戦成績は4勝2分と、確実にチームの調子は上向いてきていると言っていいだろう。一時は10位にまで落ちていた順位も、現在は5位まで回復。トゥヘル政権に移行したことで、ブルーズは再び息を吹き返している。

その大きな原動力の1つとなっているのが、ここ数試合でウイングバックとしての出場機会を伸ばしているカラム・ハドソン・オドイ(20)の躍動だ。以前までは攻撃的なサイドプレイヤーとしての印象が強かったものの、トゥヘル監督の就任を機に同選手は少し低い位置で起用される機会が増えている。一瞬の突破力を武器にとする彼は、チェルシーのサイドアタックに良いアクセントをつけることができていると言っていいだろう。期待の新星がブレイクする日は近い。そう予感しているファンも少なくないはずだ。

そんなハドソン・オドイだが、彼はまだ20歳の選手。今後はアタッカーとWBのどちらに軸足を置いてプレイしていくのだろうか。このまま成功を収めているWBで勝負してほしいと思う人も決して少なくはないだろう。しかし、WBを経験したことで進化したハドソン・オドイをもう一度ウイングで見てみたい気持ちはないだろうか。
「プレミアのウイングがDFをどのように相手しているのかなど、サイドバックでは多くのことを学んでいるよ。味方が後ろからウイングの選手のことをどう見ているのかもね。カットインのタイミングなど、とても重要なことが理解できたね。この先ウイングとしてプレイする機会がもらえれば、僕はこの経験を活かしてみせる。SBとしてプレイする時間は、アタッカーとしても良い学習時間になっているよ」(アーセナル公式サイトより)

これは、2020年2月にアーセナルのFWブカヨ・サカが残したコメント。昨季一時的にSBへコンバートされていた同選手は、コンバート中からその経験を本職でのプレイに活かせるのではと意識していたという。その経験があったからこそ、彼は今季再び挑戦したウイングのポジションでチームを牽引することができているのかもしれない。

他のポジションで得た経験を本職で活かして成功を掴むというのは、決して珍しい話ではない。チームやシステムは違えど、このサカの言葉はハドソン・オドイのアタッカーとしての将来を考えるうえでも重要になってくるはずだ。現在はWBとしての出場機会が増えているハドソン・オドイだが、この経験はウイングとして彼が覚醒する布石となるかもしれない。

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