ロスト数増加するA・アーノルド “チーム事情”が22歳の不調を際立たせる

レスター戦で今季5大リーグ最悪のロスト数を記録することとなってしまったA・アーノルド(左) photo/Getty Images

調子が良くないのは事実だが

昨季までは世界最高のサイドバック候補筆頭とも目されていた22歳は、一体どうしてしまったのだろうか。リヴァプールのイングランド代表DFトレント・アレクサンダー・アーノルドにとって、今季は悪夢のようなシーズンとなってしまっている。

昨季までは各方面からSBとして世界最高級の評価を得ていたA・アーノルド。しかし、今の彼にその面影はほとんど見られない。主力CB複数人の長期離脱を起因とする守備タスク増加の影響もあってか、2020-21シーズンのA・アーノルドは自慢の攻撃面でも精彩を欠くことに。第17節サウサンプトン戦では38回ものボールロストを記録し、今季のプレミア最多を更新することとなった。

しかし、A・アーノルドの悪夢はまだ終わらない。現地時間13日に行われたプレミアリーグ第24節レスター・シティ戦にて、同選手は前述のサウサンプトン戦よりも多いボールロスト数を記録することとなってしまった。英『Daily Mirror』によると、その数は90分間で“45回”。精度の高いキックが自慢だったはずの男は、2分に1回の超ハイペースで相手にボールを奪われることとなった。この試合では得点にも絡む活躍も見せたA・アーノルドだが、いまだに彼は本調子を取り戻すことができていないようだ。
さらに、タッチ数に対するボールロストの割合もなかなかに高い。このレスター戦でA・アーノルドが記録したタッチ数は128回となっているが、そのうち実に35.2%がボールロストにつながってしまったのだ。これは今季の欧州5大リーグにおける最高値。昨季まであれほど輝いていた右サイドのチャンスメイカーだが、かなり不名誉な記録を樹立することとなってしまった。

しかし、こうなってしまった原因はチームにも。主力CB不在のなかでA・アーノルドにボールを集めなければビルドアップが成立しないという事情が、今回の記録を生み出してしまった節はある。結果的にA・アーノルドも苦戦を強いられたわけだが、他の選択肢を考えづらかったのは事実。控えのネコ・ウィリアムズもまだ未熟なだけに、ユルゲン・クロップ監督がイングランド代表DFを頼るのは致し方ないことだったと言えるか。

A・アーノルド自身の調子が芳しくないのは事実だが、それでも彼を頼らざるを得ないこととなっている今季のリヴァプール。かなり難しいミッションではあるものの、彼らはこの22歳のためにもそろそろビルドアップの局面において安定感あるルートをもう一つ確保したいところだ。

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