もう“衰えた”とは言わせない インテルの絶対的守護神が始める大逆襲

一時は加齢による衰えも指摘されていたハンダノビッチだが…… photo/Getty Images

今季は不安定さを垣間見せるときもあったが

これまで長きにわたってインテルのゴールマウスを鉄壁のセービングで守り抜いてきた男だが、36歳を迎え彼にもいよいよ衰えの時期がやってきた。昨季終盤戦から今季序盤戦にかけて、一部からそんな声は確かに聞こえてきた。しかし、元スロベニア代表GKサミール・ハンダノビッチはここにきて再び絶対的守護神としての存在感を放ち始めている。

2012年夏にウディネーゼから加入してからというもの、インテル守備陣を支える最後の砦として奮闘してきたハンダノビッチ。昨季までクラブ在籍8シーズンで実に122回もクリーンシートを記録していた守護神だけに、ファンからの信頼は絶大だったと言っていい。しかし、2019-20シーズンのリーグ戦再開以降、どうにもハンダノビッチの様子はおかしかった。これまでのパフォーマンスが完璧すぎたということもあるが、以前の彼ならば防げたであろう失点は増加。2020-21シーズンはリーグ戦17試合を終えた時点で23失点。昨季の数字(0.91点)と比べて、同期間の1試合平均失点数は1.35点にまで上昇していた。

しかし、そんなハンダノビッチもここ数試合では復調の兆しが。セリエA第18節のユヴェントス戦以降、同選手はリーグ戦で4試合連続クリーンシートを達成しているのだ。直近のリーグ戦第21節フィオレンティーナ戦でも、36分に迎えたピンチでスーパーセーブを連発。チームの2-0での勝利に大きな貢献を果たしている。現地時間2日に行われたコッパ・イタリア準決勝1stレグのユヴェントス戦では連携ミスから決勝点を献上することとなってしまったものの、純粋なシュートへの反応という点ではかつてのレベルを取り戻しつつあると言っていいかもしれない。
「まだ完全にかつてのレベルに戻ったとは言えないかもしれないが、ハンダノビッチは周囲から心配されていた不調の期間を抜け出しつつある。リーグ最高レベルの攻撃を誇っているインテルだが、今後は守備でもリーグで注目される存在になるだろう。噛み合ってきたディフェンスラインの助けを借りて、36歳の逆襲が始まる」

伊『Gazzetta dello Sport』もハンダノビッチに関してはこのような見解を示しており、彼がトップフォームを再発見しつつあると考えているようだ。巷では「そろそろ後継者を見つけておいた方がいい」なんて声も出始めていたハンダノビッチだが、この守護神は今後もまだまだインテルのゴールマウスを守り続けるのに十分なパフォーマンスを発揮し続けるのだろうか。ネッラズーリにとって後釜GKの確保が今なお重要であることに違いはないものの、そこまで焦る必要はないのかもしれない。

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