T・エルナンデスだけに注目するべからず ミランを支える右サイドの“いぶし銀”

それほど目立ちはしないものの、渋い活躍でミランの右サイドを支えているカラブリア photo/Getty Images

攻守に渋い活躍を披露する右SB

2020-21シーズン、ACミランにおいて最重要人物とも言える存在になっているのが左サイドバックのテオ・エルナンデスだ。同選手はDFながら今季ここまで4ゴール5アシストを記録しており、ロッソネリの攻撃陣には欠かせない。近頃は各方面から「世界最高のSBを争うにふさわしい選手」とも評価されており、超攻撃的SBとしての評判はうなぎのぼりと言えるだろう。

しかし、ミランで奮闘しているSBはT・エルナンデスだけでない。彼の陰に隠れつつも、反対サイドで確実に自分の仕事を遂行する選手がいる。右SBを担当するダビデ・カラブリアだ。昨季までなかなか殻を破れていない印象もあった同選手だが、今季の彼は明らかに一皮剥けた。

それはデータを見ても明らかだ。T・エルナンデスほど目立つ仕事をしているわけではないのだが、カラブリアは随所で効果的なパフォーマンスを披露してチームに貢献。攻撃面のスタッツを見てみると、今季セリエAにおける同選手はクロス成功数9回(リーグDF中9位)や、アタッキングサードにおけるパス成功数182回(リーグDF中2位)を記録するなど、地味ながらも効果的なパスを駆使してミランの攻撃を支えている。被ファウル数も24回(リーグDF中4位)を数えていることから、相手としても彼を大いに警戒していることは見て取れるだろう。
さらに、守備面でもカラブリアはミランに欠かせない存在だとわかるスタッツがある。それは今季のタックル数で、彼がここまでリーグ戦17試合に出場して積み上げた数字は実に63回。1試合平均で3.7回も成功させているというのだから驚きだ。これは2020-21シーズンにセリエAでプレイする全選手の中でダントツ。2位にランクインしているサッスオーロMFマヌエル・ロカテッリでも43回と、カラブリアとは20回もの差がついている。攻撃面では敵わないものの、守備面も含めればカラブリアはT・エルナンデスに勝るとも劣らない貢献を果たしていると言えそうだ。

加えて、近頃は守備的中盤での出場も増えてきているカラブリア。このユーティリティ性も彼が重宝される理由の一つだろう。2020-21シーズン、これまで燻っていた24歳の守備者は昨季と比べ物にならぬほどミランで重要な存在となっている。T・エルナンデスの爆発的な攻撃力も見応え抜群だが、その反対サイドで渋い活躍を披露する24歳のプレイも見逃せない。

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