インテルやユーヴェより面白い? “ベテラン勢”が躍動する魅惑の攻撃軍団

着実に勝ち点積み重ねるローマ photo/Getty Images

優勝争いに絡める

今季のセリエAはインテルとユヴェントスがスクデット候補と考えられてきたが、予想を超えるミランの快進撃に加えてジェンナーロ・ガットゥーゾ率いる魅惑の攻撃集団ナポリの奮闘などで混戦模様となっている。

基本的には今挙げた4チームにスポットが当たる機会が多いが、その間に着々と順位を上げてきた現在4位のローマも見逃してはならない。

タレント力で考えると、ローマはインテルやユヴェントスに比べると見劣りする。しかし今季のローマはチーム全員の力を結集して必死に上位争いへ喰らいついている。
伊『Tuttomercato』によると、元イタリア代表でローマのOBでもあるFWアントニオ・カッサーノ氏も「今のセリエAは退屈で悲しい。私の中では5番目のリーグだ。アタランタを除けば、私を興奮させるのはローマだけだ。サッスオーロも限られた選手層ながら上手くやっているね」とネガティブなコメントの中でローマのことを称賛していた。

アーセナル去ったムヒタリアンも躍動 photo/Getty Images

得点数はミランに並ぶ27得点

ローマで興味深いのは、他クラブで思うような活躍が出来なかった選手たちが奮闘している点にある。例えば現在ローマのトップスコアラーはMFヘンリク・ムヒタリアンで7得点だ。

ムヒタリアンといえばマンチェスター・ユナイテッド、アーセナルで苦戦し、昨夏にローマへ加入した31歳の選手だ。どこかピークは過ぎたように考えられていたが、ローマで再び才能を証明しつつある。アーセナルサポーターもこの活躍は予想していなかっただろう。

さらに今夏チェルシーを去った33歳FWペドロ・ロドリゲスも3得点を挙げるなど奮闘。攻撃の組み立てにも積極的に関与しており、まだまだトップレベルで戦えることをアピールしている。

最終ラインではマンUで1番手の座を奪われた31歳DFクリス・スモーリングが評価を上げている。今季は怪我で数試合離脱しているが、昨季からセリエAで評価が高まったのは間違いない。セリエA移籍の判断は正解であり、プレミア仕込みのパワーは脅威だ。

左サイドバックではユヴェントスから加入したレオナルド・スピナッツォーラが抜群の攻撃性を披露しており、ユヴェントスに放出を後悔させるほどのパフォーマンスだ。左サイドを侵略するスピナッツォーラの存在も大きい。

スーパースターと呼べる選手は見当たらないのだが、今季のローマはここまでリーグ戦で9人もの選手がネットを揺らすなど全員攻撃で懸命に得点を積み重ねている。攻撃の組み立ても面白く、1試合平均2.2本のキーパス数(シュートに直結するパス)を記録しているイタリア期待の24歳MFロレンツォ・ペッレグリーニを軸にミランと並んでリーグで2番目に多い27得点を記録するなど攻撃面は機能している。

失点が17点とやや多いのは気になるが、この部分さえ改善できれば優勝争いに絡むことは可能だ。34歳のFWエディン・ジェコを含め経験豊富なベテラン戦士が躍動している点も面白く、サプライズ集団となりつつあるローマの戦いも要チェックだ。

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