ここからどう進化するか
欧州5大リーグで活躍する海外の屈強な選手と比較すると、フランクフルトに所属する日本代表MF鎌田大地は細身に見える。180cmとサイズはまずまずだが、筋骨隆々な選手というわけではない。飄々とピッチを縦断しながら決定的な働きをしていくイメージが強い。
地元メディア『Frankfurter Rundschau』は鎌田のコメントを伝えているが、鎌田自身も過度に筋肉をつけるつもりはないという。
「身体的に筋肉をたくさんつけるのは合っていない。筋肉を多くつけることは目的ではないです」
それよりも鎌田は安定感をつけることを重視しているようで、次なるステップアップへ向けて試行錯誤は始まっている。ドイツでもややパフォーマンスにムラがあると指摘されることがあるため、よりハイレベルな選手に成長するためには一貫性が必要だ。
ここまでは非常に順調で、同メディアのデータでは今季もチームトップとなる106kmの走行距離に加え、チームで3番目に多い枠内シュート13本、キーパス数(シュートに直結するパス)もチームで2番目に多い28本を記録するなど、攻撃面において鎌田はすっかりチームの中心だ。
仮に今後鎌田がフランクフルト以上のクラブでプレイすることを目指すならば、残る課題はその一貫性と得点力アップくらいか。強引にパワーをつけるのではなく、日本人に合ったスタイルでのレベルアップを目指している鎌田。その試行錯誤の末にどんなプレイヤーへと進化を遂げるのか、今最も海外組で見ていて楽しい選手の1人だ。