2020-21シーズンが開幕してからしばしの時間が経過したが、現在のトッテナムで最も注目を浴びている選手といえば誰か。ここまでリーグ戦で8ゴールを挙げているFWソン・フンミンや、そのベストパートナーとしてアシストを量産するFWハリー・ケイン、今夏クラブに復帰したFWガレス・ベイルを推す声もあるか。いずれにせよ、候補として挙がるのは好調な攻撃陣の選手だろう。
しかし、彼らをその少し後方から支える中盤戦士の渋い活躍も見逃せない。ここまでのパフォーマンスから、主将を務めるGKウーゴ・ロリスが賛辞の言葉を送るのは今夏移籍市場でサウサンプトンから加入したMFピエール・エミール・ホイビュルクだ。
その仕事は少し地味かもしれない。だが、トッテナムがここまでリーグトップの18得点を挙げることができているのは、この男の働きによるところも大きい。ゴールに直接関与したことこそ第4節マンチェスター・ユナイテッド戦での1アシストのみだが、ホイビュルクは中盤の底でチーム全体のバランスを見る重要な役を担っている。常にリスクを考えた冷静なプレイを選択しており、早くも中盤では絶対的な存在に。中盤の構成を考えるにあたって、ジョゼ・モウリーニョ監督も今では「ホイビュルクの相方として他に誰を置くか」という思考になっているはずだ。
「ピエールは最初から素晴らしい仕事をしている。チームに大きな影響を与えていることは見ての通りだ。試合に出れば、彼はその能力とクオリティを存分に見せつける。加えて献身的だ。常にチームを助ける用意ができているし、味方のことを第一に考えている。競争はあるけれど、彼の存在には本当に助けられているよ」
ホイビュルクの重要性はロリスも相当に実感している様子。動きながらピッチ上でチームのバランスを見てくれる新加入MFに、主将はかなり助けられているようだ。英『football.london』もそんなホイビュルクに「腕章を巻かぬ主将」と賛辞を送っている。
加入から3カ月も経たぬうちにチームのリーダー的存在となったホイビュルク。わずか3カ月でトッテナムにおける絶対的地位を手に入れた同選手だが、その影響力は今後どこまで強まっていくのだろうか。替えのきかない選手となっただけに、怪我だけは気をつけてほしいところだ。