マンC守備陣に安定感もたらす23歳 “コンパニ役”を見事にこなす若き守備者

今夏マンCに加入したR・ディアス photo/Getty Images

ラポルテとの強力タッグ結成へ

ヴァンサン・コンパニの退団以降、アイメリック・ラポルテの相方を務めるセンターバックのチョイスに悩まされてきたマンチェスター・シティ。しかし、今季の彼らはついにその役割を全うすることができる選手を確保したのか。今夏ベンフィカから加入したDFルベン・ディアスの評価はうなぎのぼりだ。

当初はジョゼップ・グアルディオラ監督の展開するパスサッカーに耐えうるだけのテクニックを備えていないといった意見や、スピードの欠如を指摘されることも少なくなかったR・ディアス。移籍金が6200万ポンドと高額だったこともあり、獲得当初から彼に向けられる視線の多くは懐疑的なものだったと言っていい。実際、指摘されていた通りビルドアップ能力やスピードといった点で彼に特筆すべきものはない。

しかし、それでも現在R・ディアスの評価は急上昇している。その最大の理由が、彼の安定した守備力だ。優れたスピードを持ち合わせていなくとも、卓越した読みとディレイの技術でそれを感じさせない。彼は自身のウィークポイントを別の技術で補うことに成功しているのだ。おそらく、本人も自身にそれほどスピードがないことは理解しているのだろう。自分に何ができて、何ができないのか。これに関する分析力がR・ディアスは異様に高い。
まさにマンCが求めていたのはこういう選手だった。他の状況であれば話は変わってくるかもしれないが、“ラポルテの相方”としてであればR・ディアスの右に出るものはそういないだろう。足元の技術にそれほど自信を持っていなくとも、カウンターを受けた際に慌てず守備陣を統率し相手の進撃を遅らせる。これはまさにコンパニがやっていたことで、長らくマンCが求めていた選手像そのものだ。

「守備の観点から、ラポルテとディアスのコンビはマルセイユ戦(CL)でも非常に安定していた。シティはこれまでどんなメンバーであろうとタイトルを狙える位置にいたが、今季はさらに素晴らしいかもしれない。ディアスが入ったことで、彼らはまた以前のようなリズムを取り戻した。コンパニが去ってからグアルディオラは苦労していたようだけど、ようやく最終ラインを固定できそうだ」

現地時間27日に行われたチャンピオンズリーグのマルセイユ戦をクリーンシートで終えたマンCのCBコンビに対しては、元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏も英『BT Sport』でこのように賛辞を述べている。ついに結成されたシチズンズの強力タッグには、レジェンドも大きな可能性を感じているようだ。マンCの守備を一変させる可能性を秘めた23歳。R・ディアスのさらなる成長からは、今後も目が離せない。

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